【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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言い回しこそ、この男独特のものであるが、どうも声にあの憎々しいほどの張りがない。

「これを、あいつに渡してくんねぇか・・・俺からじゃ、受け取らねぇんでね・・・」

高杉が、何かを差し出した。受け取ってみると、坂田 松之助名義の印鑑と通帳、キャッシュカードだ。・・・しかも、ところどころ、血が付いている。

「あんた!!!怪我しているのかい??!!」

確かめようと、肩に手を掛ける。と、力無く振り払われた。手負いの獣が、警戒するかのように、ギロリと睨んで、近寄らせない。

その、目だけは、爛々と光輝いている。



「してねぇよ・・・それより、頼むよ・・・」

「何言ってンだい!普通じゃないんだろ。こっちにあがんな。手当てしてやるから」

と言った時、ガラガラガラ・・と、引き戸が開いた。

「すいやせーーーん、ちょっとお聞きしまさぁ??」

と言って、入ってこようとする人の気配。お登勢は、反射的に、高杉をまたいで、かばうように出て行く。