>>621 どうも、たどたどしく話をすれば、おとなしく銀時は聞いていてくれたが、
この部屋に入ったところくらいから、殺気立つ。ヒイイイイ??。
「それで、どうなったの??」
なんて答えよう。ウノをしてました、とか?と思ったら、すかさず奴が。
「ここでするこたぁひとつだろうが。てめえがしたことと一緒じゃねえのか」
た????か????す????ぎいいいい??????!!!!空気読め、貴様!!!ここは二人で口をそろえてウノやってたことにすればいいだろうがああ!!火に油を注ぐんじゃない!!
「はあアアアアアアア???!!!!」
「てめえ、首に白粉べったりついてるぜ」・・・確かに。今気づいた。お前、ホントに・・
「う・・・っ!!!こ、この」
「お互い様って奴じゃねえのか」
「てめーは黙ってろ!!第三者!!!赤の他人!!!」
ククク・・・と、嗤う。高杉、貴様、この状況楽しんでいるのじゃあるまいな!!!!
・・・それにしても、元はと言えば・・・
「銀時は、どうして・・・」どうして。
と言えば、銀時は答えに詰まる。
やっぱり、普通のかわいらしい女の子が良いんだよな。そりゃそうだ。
銀時は、怒りの矛先を高杉に向けた。
「つーか、てめえ、ヅラ妊娠してるのしってんだろうが」
「だから?」
「・・・っ!!子供に何かあったらどうするつもりだ!!」
「じゃ、てめえは俺の子が腹ン中いた時、こいつと何にもなかったのか?」
どうなんだ、と、剣呑な目で銀時を睨む。貴様!さっき俺が答えただろうが!!
「・・・・」その沈黙、ちょっと・・・・
「ほらみろ。お互い様だ」
「っつーか、こっちは夫婦なんだ!!」ズキっと心が痛む。
「てめーは良いのかよ」
「ああ?」
「浮気。それもお互い様だろ」
う・・・浮気って・・・何か照れる。
というか、俺も悪かった。確かに。なんでか流されてしまって。断れなかった。
たとえ、子供を守ろうとしたと思っても、裏切りは裏切りだ。
「銀時・・・すまなかった。は、反省している・・・」
銀時が、泣きそうな顔をした。
そのとき、
TULLL・・・・高杉の電話が鳴った。
「ああ・・・・分かった。待ってろ」高杉が、立ち上がって出て行こうとする。
俺は、正直、ほっとした。銀時だけなら何とか納める自信があったが、こいつらが衝突したら抑えきれない。
「俺は、もう行く。じゃあな」ところが、
「てめえ、待て!!」銀時が止めた。ええええーーー!!冷や汗が出る。
「なんだよ」
「謝れよ!」
「はあ?」
「あやまれっていってんの!!」
「誰に」
「俺とヅラに」
ええええええ????????!!いいよ、銀時、もうそっとしとこうよ!!
「・・・・」ものすごく不本意で、みるみる嫌そうな顔を高杉はした。
あああ・・・ホラ、怒ってるよ。また、血の雨の危機が!!吉原炎上!!!ヤバイ!!
だが、意外なことに
「てめえに謝ることはねえが・・・」・・と、俺と目が合う。驚くほど、真摯な目だ。
「さっき、殴られたのは、ヅラの分と思っておいてくれ。それでいいだろ」
さっと、部屋を出て行った。
ああ・・・まさか、
それで、抵抗しなかったとでも言うのか。
銀時が、俯いたまま、
「ごめんな、ヅラ・・」と言った。いやいや、お前は悪くない(わけでもないが)
「いや、元はと言えば俺が・・・なんだか、お前の子だと思うと、どうしても無事に産まなければと思って・・・色々考えすぎた。すまない」
「いや・・・俺がしっかりしていないから」
そっと差し出してくれた手を、掴む。
「かえろうか」
「・・・ああ」