【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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一体どうして?

どうでも良い疑問なのに、妙に今日は気になった。

聞いてみようか。

・・・ばかばかしい。

でも、今聞かなければ。

「傷でも付いたか」

後ろから声がした。簪を握りしめたまま動かない俺をいぶかしんだのだろう。

「なあ、高杉・・」

ああ?と、気のない返事が聞こえる。

「いつだったか、貴様これを持っていったことがあっただろう。あれは、なぜだ」

言ってしまった。だが、振り向けない。

どんな顔をしているのだろう。きっと、そんなことあったっけ?と言うような表情なのだろうな。

「・・・覚えてねえ」長い沈黙の跡、素っ気なく高杉が答えた。そうだろうな。

予想通りの答えに、がっかりしたような、ほっとしたような。