【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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>>587
「あ、・・あれは、やつが・・・どうしてもと言って、土下座して頼み込むから、仕方なく、一回だけしただけだ・・・。喜んでなど、断じて、いない!」と言えば、

「へえ、じゃ、俺も同じことして頼み込んだら、銜えてくれんのかなぁ」

空恐ろしいことを、高杉が言う。そんなこと、しやしないくせに。

「どうかな。試してみただろうだ」する気もないくせに。できるなら、してみたらどうだ。

「フン・・遠慮しとくぜ」ほら、やっぱり。プライドの高い貴様は、俺ごときに懇願などするはずもない。そんな価値を、俺に見いだしてない。そんなこと、分かってる。・・・。



のそのそと、着替えをして、あいつが抜き取った簪を手に取った。

畳の上に無造作に置かれたそれ。

そういえば。

あのときも、こいつは簪をとったっけ。

・・・その前に、

ふと疑問が浮かぶ。

前に、これを持っていってしまったことがあった。