>>579 ああ、流れ込むこいつの熱は変わっていない。
熱くたぎった魂ごと、貫かれているようだ。
お前は、いつまでもきっと変わらない。
この熱をもてあます。
誰かに冷まして欲しくて。きっと。だが、俺は知っている。
さめてもすぐ又熱さを取り戻すのだろう。
一体いつまで。
この世界を壊すまで?
そんなことなど出来るわけなどないのに。
この街を火の海に変えたところで、きっと生き残る人がいる。
その人達が作る世界が、この世界の続きなら
壊すことなど、できやしないんだ。
高杉。
お前はなんて、一途で、不器用で・・・苦しくなるほど純粋なんだ。
いつまでも、あの人に捕らわれて。
届かない、変わらない過去にとらわれて。
しても叶わない復讐に燃える。
それだけしか見えていない。これからもずっと。
でも、そうすることでしか貴様はきっと生きていけない。
その命を怒りで燃やすことでしか、生きていけないんだろう。
奴が、俺の手に手を重ねてきて、声にならない声を上げる。
ああ、こいつはきっと泣いている。
声も出さずに、
涙も流さずに。
それが、行き場のないやるせない魂の呻きのようで、
忘れていた感覚と感情に、涙がこぼれる。
俺はきっと、今、お前の最も弱いところに
触れている。
ああ、また
また、救われない熱を植えられてしまった。
2.
喘ぎすぎて、のどが痛い。
何か言いたいが、言えずにいる。
煙草を吸えないからか、高杉は珍しく隣にいる。
じっと、俺を見つめている。目に焼き付けたい、とでもいうように。・・まさかな。
「今日は、変態って言わねえんだな」
「貴様はぁ・・・・」
コホコホ。のどが痛い。すると、どこからか水を持ってきてくれた。
「身体、大丈夫か?」
「貴様が言うな」水を飲みながら、睨む。
「どうにも、初めての経験なんでねえ」ニヤリ、と嗤う。
「・・・今日の貴様は、しつこい」と言えば、
「まあ、一回抜いてるからな」さらりと言う。
「貴様は・・・っ!」
「ん?嫉妬か?」さもおかしそうに言うので、頭に来た。
「そんなわけあるまい。あきれているんだ」
「へえ・・・でも、てめえは、そんな俺が好きなんだろ」と又嗤う。
「あほか・・・・・・」
だが、悪くない。
こんな高杉は、悪くないと思った。
何か手持ち蓋差にしているので、
俺がいる限り、煙草が吸えないのだろうと思って。
「帰るから、存分に吸え」と言って、着物を取りに立つ。そのとき。
・・・・近くの鏡台に、移った自分の姿を見て、絶句した。
まさかと思ったが・・・・
一面に紅い跡。
鏡越しに、こっちを伺っている隻眼がすっと細まった。
「たかすぎいいいいい!!!!」
「奇麗だろ。・・・いいじゃねえか。どうせしないんだろ。ばれねえよ」
「そう言う問題じゃない!」
“どうせしないだろ”・・それが狙いだろう。この、策士めが。
貴様なんぞをちょっとでも可愛いとか思ってしまった俺が馬鹿だった。
「やはり、お前は嫌いだ」といえば、
楽しそうに嗤うばかり。
「そういえば、てめえ最近、銀時の喜んで銜えているらしいな。まるで本当の女みてえに」
着物を着ていると、突然、ふってきた高杉の言葉に、一瞬耳を疑う。
「は??」何を言ってるんだ?というか、なんで知って・・・
「銀時が自慢してたぜ」ハアアアア!!!??銀時イイイ!!貴様!!!!
>>580 なにげに初めてなんだよな、あの二人が戦うのって
過去私闘やって負けた近藤土方がえらいムキになってて笑ったわ