【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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562名無しさんの次レスにご期待下さい
「気が変わった。出ていってくれ」

「そんな・・・今日は偉く気が変わる日どすなあ・・・」

「金は払うから、頼む」と言えば、女は静かに出ていった。

「たまに来ては、舐めてもらうんだ」というので、何だかかあっとなった。その様子を、さもおかしそうに見て、「傷を」と、最後に付け加えた。いかにも奴らしい言い方だ。

「お前さん、その様子だと銀時に会わなかったようだな」

「あ、ああ・・・高杉、ここから電話をくれたのか?」

「まあな。下でちょっとばかり奴と飲んでいたからな」

「!!!!二人でか・・・めずらしい」

「まさか。たまたま会ったんだよ。俺は違うツレがいる」

くるり、と、煙管を回しながら言った。ああ、それ・・・使ってくれているんだな。その視線で分かったのか、

「俺は、もうちっと派手な色が好みだが」という。

知ってるさ。知っててあえてそれにしたんだ。

「貴様は何もかもが派手なのだから、ひとつくらい落ち着いたモノがあった方が良い・・ちょっとはおとなしくしろ
・・・その方が、世の女のためだ」
と言ってやった。
ふうん、と生返事をしてくるくるとまた煙管を回す。いっこうに、その言葉の意味も分かってない様子。
手持ち蓋差な感じだ。それに、何だか違和感を感じていたら、煙管を片手に持っている割に吸うそぶりを見せない。
・・ああ、まさか、この傍若無人な男が、俺の身体を気遣っているのか。

「なんで銀時がこんなところにいるんだろうなァ」クククとのどを鳴らす。

「おおかた・・・不満なのだろう」

「相手してやってないのか」

「・・・子供がいるのに」ついつい腹をさすってしまう。

「へえ。随分大切にしているんだな」部屋に漂う空気が変わる。幸い、ふすまの近くに座っている。奴がこっちへ来る前に逃げることも可能だ。

「子供が出来た時の、銀時の喜び方は普通じゃなかった。貴様も分かるだろう。・・・あいつは・・・」

「一人もんだからな。血のつながりを欲してやまないんだろうよ」

「ああ。・・・じゃ、俺は帰る」なるべく直前までそのそぶりを見せずに、分からないよう立ち上がった時だ。

「待てよ」

手首を捕まれる。

・ ・・・思っていたより、奴の動きの方が早かった。

「はなせ」

「一度この部屋に入って、何もしないなんて野暮じゃねえか」

「は・・・貴様」

ぞっとした。その目もそうだが、俺の腹に手を当てている。