余談 吉原?K
1.
すっと、ふすまが開いた。
思わず、くるりと、向きを変える。
・・・こういうところで会うと、きまずいものだ・・・
後ろ姿でも、銀時なら分かって声を掛けるだろう。
が、近づいてきた足音は俺のすぐ後ろで止まって・・・
階段を下りることなく、髪のかんざしを抜き取った。
バサ・・・っと、髪が堕ちると同時に、振り向くと。
!!!!!!
いるはずのない、男がいた。
奴は、静かに俺の腕を掴むと、無言で部屋に入っていった。
部屋には、女がいた。とろり、とした長い黒髪の美人だ。
髪の乱れ、開かれた合わせ、何かしらの情交の後・・・。
おもわず、眉をひそめて目をそらす。
なんと言ってみようもなく戸惑っていると、
「座れ」と、奴が言った。
仕方ないので、部屋の隅、奴とうんと離れたところに座る。
知らず、手が腹に行ってしまう。
「高杉はん、一体、どういうわけですのん」
とろりとした美女が高杉にすり寄る。
この感じだと、なじみ客なのだろうか。