>>535 「あの子が・・・これくらいの時には断った」
・・は?
「あの子も・・・大切だ。この子と同じくらい、いとおしい」
・・な・・
「安心しろ。前にも言ったが子供には平等に接するつもりだ。俺も、銀時も」
・・この状態で、他の男の名前なんざ呼ぶんじゃねえよ。
「銀時の話なんざしてねえよ。俺と繋がってる時に余計なことばっかり考えてんじゃ・・」つい、かっとなって、ガキみたいな事を口ばしっちまった。しまったと思ってももう遅い。
今日の俺はどうかしてる。
なんだってんだ。おもしろくねえ。
「・・・」
突然。本当に突然、桂がそら恐ろしいことを言った。
「・・・今日のお前は、なんか、少し、好きかも・・・」
「・・・・・!!!!」
天然もここまで来たら、終わりだぜ・・・。
「気持ちわりいこと言ってンじゃねえ・・・」
これ以上、何か言われたらたまらない。冗談じゃない。桂の口をふさぐ。
萎えていた、心に灯がともる。俺も存外、単純だ。
「は・・・」
サービスが過ぎるぜ、てめえ。
じゃあ、俺も、お前の言葉の代価を、払ってやらなきゃなぁ。
覚えてる、お前の良いところ。
・・・忘れられるはずもない。
そこばかりを、丹念に優しく、深く突けば、
「!!」顔色を変えて焦り出す。クク・・・最初に言ったはずだぜ。なあ。
「言ったろ・・・声だせって」耳元で、偉く低くささやく。
「や・・・!!」
ああ、熱い。心も体も。
気持ちいい。・・・溶けてしまいそうだ。心も体も。
そう、俺はずっとこれを望んでいた。
無くした日から、
熱をもてあまして。
だけど、おまえ以外に熱を分かち合ってくれる奴には出会えない。
どんなにさめた身体に自分の荒ぶる熱を突き刺しても、
この熱は引かず、燃えず。燻るだけ。
どうしたらいいか分からない。
だけど、
桂。