気づいたら、自分のいいように動いていた。限界が近い。
俺が目を細めると、承知したかのように手を沿えた。
「・・・・ぅっ・・・」
は・・・
最後まで、手も口もはなさず、飲み下す。
出来た女だ。
その赤らんだ頬をなでた時、
トントントン・・・と階段を上る音が。
何となく、その音に聞き覚えがある気がする。
「高杉はン」
女が何か言ったが、構わず立ち上がり、
ふすまをあけた。
思わず、くるりと、向きを変える、妓ではない女。
紅い簪で結い上げた、黒髪。細い項。あの匂い。
気づいたら、奴の髪のかんざしを抜き取っていた。
バサ・・・っと、髪が堕ちる。ああ、奇麗だ。
俺を振り向いて、
!!!!!!
驚愕の表情。
静かに奴の腕を掴むと、無言で部屋に連れ入る。
奴はつったったまま。「座れ」と言えば。
部屋の隅、俺と離れたところに座る。
手を腹に載せて、警戒している。そんなにそいつが大事なのか。
「高杉はん、一体、どういうわけですのん」
とろりとした女がすり寄ってきた。忘れていた。
「気が変わった。出ていってくれ」