【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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ん?て、簪って、あの簪・・・だからなんなんだ。訳がわからねえ。

「けっ。ただの意気地なしに横恋慕されて、こっちは良い迷惑だよ」

「おや、晋助は月子殿に思いを寄せているでござるか」何を白々しい。

「あんたさ、あいつが居ないからいっとくけど。うちの奥さんにあいつの気持ち気づかせようとすんのもう止めてくんない?」

「ほう・・・気づいていたでござるか」心底驚いたような声を出す。

「あれで気付かねえのは、月子くらいだろ。みくびんじゃねえよ」

「なるほど。全て分かっていて、あの反応。お主もなかなかどうして・・・食えぬお人よ」

「てめえらごときに食われるようじゃ、今頃ここにはいねえよ。とっくに死んでらぁ」

「違いない」

万斎は、珍しく感心したかのように言った。