【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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「・・・上等だ!!」立ち上がろうとした時、

「ハハハハハ・・・!」突然、無表情で今まで口を挟まなかった武市が笑い出した。

「いやいや、どうも杯は滑りやすくていけませんねぇ。お嬢さん、コップをふたつもってきて下さいませんかな」

「はい、お待ちやす」妓が、これ幸いと席を離れる。



「ま、この話題はひとまずやめにしましょう」と武市が言い、万斎が賛同する。

新しいコップで酒を飲み始めると、万斎が新しい話題を振ってきた。

「白夜叉殿はここの救世主と聞いていたでござる」

と、そこから、俺は自慢の夜王粛正の話を聞かせた。

いちいち、大げさに万斎が相づちを打つのが気に障ったが、まあ、悪くはなかった。

・・・・

「英雄色を好むっていう言葉もありますから、今日もそういうことなんですねえ」と武市。

「そうそう。まあ、あんまり英雄がほっとくと吉原のお姉さん達がさびしがるからな」

「そうでござるか。もてる旦那をお持ちで月子殿は心配ですな」さらっと万斎が言う。

うわ。またさりげに話を月子に戻しやがった。武市は、突然冷や汗をかきだした。俺と同様、月子の話はしたくないに違いない。

「あいつの話はいいんじゃない」

「月子殿と言えば・・・不思議な御仁でござったな」

きいてねえし!!!!