【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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471名無しさんの次レスにご期待下さい
>>468
フン、と、ぐいっと酒を飲み干す。



「ヅラ、俺はお前に、高杉と電話すんなとはいわねえよ。・・・ただ、俺のいるところでしろ。いないところでこそこそされんのは嫌だ。そんくらいは分かるよな」

「・・・分かった」

「だったら、いましろ」

「は?」

「ここで、高杉に電話しろっつってんの!」

「銀時・・・」

お登勢も、坂本もうなずく。



さっきは、底意地の悪いことをしてしまったが、高杉なりに思うところもあって、言いたいことがあったんだろう。思い返せば、あんな弱々しい声、聞いたことがない。

いや、あっただろうが、遠い昔のことだ。

ヅラが、お登勢に電話を借りる。え・・・短縮番号??ってことはなに、うちじゃなくてここで掛けて・・・ババアがこっちを見る。

「時々ね。上には、子供達がいたりするだろ。あんたもいるし。変なこと勘ぐるんじゃないよ」

確かに、ヅラは携帯を持っていない。っつーか、俺ら、持つ金が無・・・。



TULLLLL・・・・

「あ、俺だ。・・・さっきは済まなかったな・・・いや」

まあ、別に気にしてませんけど????。それで、電話代が特に替わらなかったのか。・・・なんか、でも、それってこそこそして怪しくない??

ま、べべべ別に??????気にもならないけどおおおお・・・なんとなく、握りしめるコップがミシミシいう。



「いや、隣にいるが・・・は?ああ、他のものには聞こえていない。安心しろ」

なんだよっっっ!!!!その念押し!!!聞かれちゃまずい話でもあるってのか!!



「あ・・・ああ。・・・・・」

なんか、ヅラがどんどん無口になっていく。

ああ、何言われてるんだろう。・・・気にならないけどっっ!!坂本が、そんな俺を気遣ってか話しかけてくるが、そんなの上の空だ。
472名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/05(水) 15:00:32.92 ID:hZUZ9om80
見かねたお登勢が、俺に言う。

「確かに、ここ最近は電話を借りに来なかったから、上で掛けるようになったのかと思ってたんだけどね。何度か、あの男から取り付いてくれって電話が来て・・・

でも、そのたび月子がいないって言ってくれって言うからさ」

ふうーーと白い息を吐く。



「んだよ、それ・・・。俺に言ってくれればいいだろ。ったく。」

「訳ありとは思ってたけど、相手の男も気にする風でもなかったしねえ。ま、とにかく、黙って少しは話させてやりなよ」

「けっ」



「ふふ・・・分かってる。」

ちょっと、何楽しそうに笑ってるのおおお?!!
473名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/05(水) 15:01:48.96 ID:Y0flC7ob0
「・・・案ずるな。俺を信じろ。銀時だって、それはもう立派に父親をしてくれている」

んあああ??俺の話??

「ああ、貴様よりよほど、できた父親だ」

な・・・っ!!!

なんか、急に顔がかあっと熱くなってきた。飲み過ぎた。

「ババア、水・・・」



「ああ。・・・・・む。そうか。ちょっと待て。」

水を飲んでいると、桂が、受話器を俺によこす。はあ?

「お前に替われと」

ぶはっ!!あやうく水を吹き出しそうになった。いや、ふきだした。

「はあああ???話すことなんかねえよ!!!」

「いいから」

「・・・んだよ」

電話に出る。

「よう」

「よう、じゃねえよ」



「てめえは昔から、馬鹿みたいに・・・死にそうな奴を担いで歩いてたっけな」

「ああ?」

「今も、大切なものは替わらないとか万斎に言ったそうだが」

「ああ??、あれね。その節はどうも。相変わらず変な部下ばっかりだな」

「てめえは、そのまま、一生替わるな」

「っつーか、かわらねえから!てめえがトチ狂いすぎなんだよ!」

「クク・・・そうかい」
474名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/05(水) 15:02:37.76 ID:UL9m4k0Z0
「で、話って何だ?昔話ならお断りだぜ」

「・・・てめえの生まれてくるガキによ・・・あの人の字を使わねえでくれ」

「は・・?」

「銀太郎とかで十分だろ?」

「はあああああ????」



「それから・・・」

「てめえなあ・・・」

「・・・・あいつを頼む」

「・・・・てめえに頼まれるまでもねえよ。大切な息子だ。俺が守る」

てめえからもな。

「そうか」

短い言葉だったが、ほっとした気持ちが伝わる。あ、なんか、胸が痛い。
475名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/05(水) 15:03:26.37 ID:FrlVWlEV0
「あんまり、変なこと教えるなよ」

「は?なんだそりゃ」

「てめえみたいなエロガキになったら困んだろうが」

ブチーーーーッ!!



「何言ってンだ!!そうなったら、そりゃ、てめえの血筋だろ!!!ヅラに聞いたぞ(嘘だけど)、この強姦魔!!!!」

ボカッと後頭部を殴られる。

「そうか、ヅラは俺をそう思ってんのか・・・」

ありゃりゃ、まあいいか。



「こそこそ二人で連絡取り合いやがって・・・」

「ガキの話だろ」

しれって言うこいつに一泡吹かせたくて・・・

「ま、俺たちは・・・堅??い絆で結ばれてますからアア!!自分の気持ちを伝えられねえ小心者に、どうこう出来る仲じゃね??けどな」

言ってやった。

「・・・・!」