【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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余談 異父兄弟



スナックお登勢。

今日は、祝い酒だ。

何でかって??!そりゃ、あれだ。ご懐妊祝いって奴???俺の子供の!!!



「金時、ちょっと飲み過ぎじゃ??」

「にやけちゃって、どうしようもないねえ。こいつは」

ふうとお登勢が煙を吐く。

「い??よ、い??よ、今日は何でも言ってよ。なんかさ、世界中に言いふらしたい気分なんだよね??!!」

「フン」

といって、お登勢がにやっと笑う。



ガラガラ・・・そこへ、桂がやってきた。
459名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/05(水) 08:23:30.53 ID:eJGJkut/0
「そろそろ、帰るぞ銀時」

「ああ???もうちょっとくれえいいだろうが。お前もつき合えよ」

「困った奴だ」

「良いじゃねーか、俺は今、幸せにひたってんの」

あ、言っちゃった。



「月子、旦那の横にすわんな。今お茶入れてやるから」

いそいそと用意するお登勢。

「すまない、お登勢殿。・・・坂本も、忙しいのにこやつの戯言につき合わせてすまんな」

「い??きに??!めでたいことはみんなで分かち合うもんじゃ!わしも、お亮ちゃんとの結婚の暁にはみんなにつき合ってもらうぜよ」

アハハハハと、明るく笑う。いつだよ、それ。

「松坊も、お兄ちゃんになるんだねえ」

「ビンボーコダクサン」

「猫耳、てめえ!!」



ふと、そういや、兄弟になるんだよなって思った。あいつの子と、俺の子が・・・。何か複雑??。あ、そういやこのことあいつしらねえよな。

教える気もね??けど。いや、まてよ。俺の子をヅラが身ごもったって知ったらあいつはどうするだろう。焦るかな?焦るよね!嫉妬するよね!!

この幸せなムードを教えてやったら悔しがるよね!!!

なんか、暗い考えが浮かんだ。



「坂本・・・電話かしてくんねえ?」

「ん?いいけど、どうしたが?」

「高杉に報告する」

「!!!!」

桂が猛反対したが、お登勢が味方に付いてくれた。
460名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/05(水) 08:24:11.45 ID:TM8TisvH0
「まあ、松坊に関係のあることだからね。一言言うのは良いと思うよ。だけど、余計なこと言うんじゃないよ、銀時」

「へ??いへい」

ケケケ。今に見てろ、高杉。てめえの焦る面が目に浮かぶようだぜ。



TULLLLL・・・・

でた相手に、坂本がまた名前を告げて、総督・・・と言っている。俺は、さて、なんて切り出してやろうかと考えていた。ニヤニヤが止まらない。

「今、みんなで飲んでたぜよ??。ん??ああ、そうそう。金時が・・・え?」

なんだなんだ。

「・・・分かったぜよ」

と、携帯を俺じゃなく、ヅラに渡す。

「なんか、おまんに替わってくれって」



!!!!!はあ??高杉いいい??????!!!!てっめえ!!
461名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/05(水) 08:24:45.11 ID:tphMJ8ii0
「坂本、スピーカー!」

「いや??それはどうかのう??」

なんでか今回だけは渋り倒す。

「偉く深刻そうじゃき」

は?



桂も、電話にでるかでないか悩んでいるかのようだ。じゃ、でんなよ!!

とりあえず、その隙にピッと、スピーカーのボタンを押してやった。仕方なしに、桂は電話を耳にあてた。



「あ・・・俺だが」

桂がでる。なんでか、わざと低い声を出しているようだ。

「やっぱりな」

間髪言わず、奴の声が聞こえた。

「・・・」
462名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/05(水) 08:25:44.53 ID:d5MtMK970
「おかしいと思ったぜ。最近、連絡をよこさねえ。こっちが掛けてもでやしねえ」

「・・・」

はああ??!!なにそれ。衝撃発言!ちょっと、浮気発覚??!!



「大丈夫なのか、身体」

「ああ、大事ない」

「・・・なるほど、じゃあ、そういうことか」

奴がひときわ低い声を出す。

「・・・高杉」

心なしか、桂の声は震えている。

「素直に言えばいいじゃねえか。それとも、俺がてめえの腹をぶったたきに行くとでも思ったのか?」

「そ、そんなことは・・・」

お、オイオイオイオイ!!!言うに事欠いて、何恐ろしいこと言ってンだよ、てめえ??????!!

「・・・まあ、それも面白そうだがよ」

ブチッ・・・俺の中の何かが切れた。気づいたときには、受話器を奪っていた。



「てめえええ!!!何、人様の子供たたきに行くだとかふざけたこと抜かしてんだ!!」

「・・・銀時・・・・・・よかったじゃねえか」

は??あ、あれ???何か調子狂うんですけど。

「あ、ああ」

何とも、応えあぐねていると、信じられないくらい殊勝な声が聞こえた。

「すまねえが・・・ヅラに替わってくれねえか・・・あと、人の話を横聞きするのはいい加減辞めろ」