【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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腹・・まだまだ分からないでござるな。見た目には。細い方でござるし。

視線で感じたのか、手をおなかにやる。

「拙者、何もしないでござるよ」

「・・・そう願いたい」

ああ、母とはこのような者なのか。



「月子殿。・・・早速だが晋助のことで」

「万斎殿。俺の気持ちは変わらない」

「そこを何とか、一度で良いから、連絡して欲しいでござる。最近は、輪を掛けて荒れているでござるよ。

前に言ったメロディーが、既に崩壊してきているでござる。抜け落ちた音符を、聞くに堪えない不協和音で埋めている・・・」

と、そこまで言って、はっとなった。月子がまたぽかんとしている。

ああ、この例えじゃだめなのだった。・・・なんと言えば。

そう考えているうちに、えらくまじめな面持ちで、月子の方から切り出した。

「あのな、万斎殿。この際だからはっきり言うが」

と言って、はっきり言う、と言ったわりには、とても小さい声で話し出した。

「俺のことを、・・・だ・・・抱いた夜・・・あいつは、俺を、・・・“気持ち悪かった”・・・と、言ったんだ」

「!!!??」



晋助・・・なんて事を言うでござるか・・・!!!おおかた、自分でもどうしてそんなことをしたか分からなかったのでござろうが・・・にしても、

相手に聞こえるように言って言い言葉じゃないでござる!!

と言うことを考える余裕もなく、口に出してしまうほど、テンパっていたのか。