【万斎】
さて、その早朝。
「そういえば、晋助に渡しそびれていたものがあるでござるよ」
「ああ?」
「昨日、月子殿から、これを」
と、白い包みのなにやら長いものを渡す。
「何だァ?」
「誕生日プレゼントだそうで。いつもお世話になっているからと」
「へえ」
早速開けてみる。
中から出てきたのは・・・・
渋い、茶色の煙管。
「・・・・・」
「・・・・・」
「いや、なかなかいいじゃないでござるか」
「・・・・まあ、もらっとくぜ」
拙者は、笑いをこらえるのに必死だ。
どう見ても、高杉に似合うとは思えない。高杉が実に、嫌そうな顔をした。
と、そこで、もう一つあることを思いついた。
「どうでも言い話だとは思うが、昨日の娘の件、月子殿はご存じでござるよ」言えば、
「!」あからさまに驚く。