【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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>>411
部屋の前に立つと、案の定、まだ起きていたらしい晋助が「なんだ」と出てきた。

だが、その姿に、みんな息をのむ。



なんともまあ・・・煽情的だ。

水でも浴びたのか、濡れた髪。大きくあわせの開いた着流しの浴衣。

厚い胸板と、隆々とついた奇麗な筋肉が垣間見える。ところどころに、刀傷があるが、それがまた妙に男らしさを感じさせる。

そして、熱を帯びた熱い隻眼。

吐息までが、色を含んでいるようだ。



おおかた、先程桂の肌に触れ、口づけた余韻が残っているのだろう。この人は男なのに、たまに驚くほど艶っぽい時がある。

斜に構えた顎を上げて、見下すように、女三人と、拙者を見て、

「アァ?なんだ、誕生日パーティでもはじまんのかあ」

と言った。

その言葉に、雰囲気に飲まれていた女の子達の中の、一番血気盛んな子が、顔を赤らめながらも、気丈に言った。

「この子をもてあそんだこと、謝って下さい!」

「・・・あぁ?」

ふと、考えるそぶりを見せ、真ん中の涙目の女の子を見つめて言った。

「ああ、さっきはすまなかったな。ちと急用を思い出しちまったんでねぇ・・・詫びに行こうにも、部屋を知らなかったもんで」



さらりと心にもないことを言ったよ、この男・・・。しかし、ことのほか、女の子には効いているようで、その後、誰も何も言わない。

「俺も、あんたにはもう一度会いたいと思ってたんだ。来てくれてうれしいぜ」

低い、響きのある声で言う。そして、じっと、その娘を見つめる。

他の二人にはいっさい目をやらない。じっと、ただ、その子だけを熱い目で見つめ続ける。一瞬たりともそらさない。

ああ、これは、勝負あったな。この男に、こういわれて、見つめられて、悪い気がする女はいない。

「もし、許してくれるなら、部屋で一緒に一杯やろうや???????????? その気がないなら、俺のことは忘れてくれ」