【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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しかし、心なしかやはり顔色が悪い。速く部屋に戻さねば。

「歩けなければ、抱えるでござるが・・」

「いや、いい!・・・そうじゃなくて、これを」

ごそごそと、拙者が持っていた桂の袋から、一つの包みを取り出した。

「奴に・・・誕生日だろう」

「晋助にでござるか?」

「ああ・・・色々と世話になっているしな・・・あの、あれだぞ。そんな深い意味はないからな。

ただ、まあ、思いつきだ。たいしたものでもない」

などと、あたふたしながら渡してくる。なかなかこの表情は可愛い。



「では、確かに。引き受けたでござる」

桂が、ちょっと、はにかんで嬉しそうな顔をした。

それから、徐々にしっかりした足取りで、階段を上り、二階に来た時、突然。

うっ・・・と言って、口元を抑えた。なにやら吐き気を催しているようで、持っていた袋の荷物だけを出して袋を桂に渡す。

はあはあと息をしながら、吐き気に耐える桂。結局、戻さずに終わった。

しかし・・・

これは、ただの湯あたりではないな。



「月子殿・・・これは拙者の勝手な憶測でござるが」

ビクッと桂の身体が揺れた。