【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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>>399
余談 慰安旅行3


【万斎】

拙者が、一人になってから割とすぐに、月子は意識を取り戻した。



「あ。・・・???!!」

「気付いたでござるか」

ぱっと、拙者の腕から起きて、何事か、と言う顔をする。



「先程、意識のない月子殿をこの男が抱えているのを見て、晋助が助けたでござるよ」

「た、高杉が????」

足下の男を指し示すと、あからさまに驚く。

「うわっ!」

「立てるでござるか?長居は無用。速く白夜叉殿の部屋に戻るが良いかと」

こくこくと頷く桂。

支えながら、廊下に戻る。

売店の前を通った時、あっと何かを思い出したように桂が立ち止まった。



「高杉はどうした?」

「晋助なら、部屋に戻ったでござるよ」

「そ、そうか・・・また世話になってしまったな」

「まあ、貴方に対しては、特別でござるよ」

と、言えば、不思議そうな顔でこちらを見る。・・・なんとも、きれいなお方だ。桂だけど。
403名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/04(火) 09:27:01.37 ID:JWbVB0aR0
しかし、心なしかやはり顔色が悪い。速く部屋に戻さねば。

「歩けなければ、抱えるでござるが・・」

「いや、いい!・・・そうじゃなくて、これを」

ごそごそと、拙者が持っていた桂の袋から、一つの包みを取り出した。

「奴に・・・誕生日だろう」

「晋助にでござるか?」

「ああ・・・色々と世話になっているしな・・・あの、あれだぞ。そんな深い意味はないからな。

ただ、まあ、思いつきだ。たいしたものでもない」

などと、あたふたしながら渡してくる。なかなかこの表情は可愛い。



「では、確かに。引き受けたでござる」

桂が、ちょっと、はにかんで嬉しそうな顔をした。

それから、徐々にしっかりした足取りで、階段を上り、二階に来た時、突然。

うっ・・・と言って、口元を抑えた。なにやら吐き気を催しているようで、持っていた袋の荷物だけを出して袋を桂に渡す。

はあはあと息をしながら、吐き気に耐える桂。結局、戻さずに終わった。

しかし・・・

これは、ただの湯あたりではないな。



「月子殿・・・これは拙者の勝手な憶測でござるが」

ビクッと桂の身体が揺れた。
404名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/04(火) 09:28:37.86 ID:9XgzvgoO0
ああ、きっと、この先言われることを予想しているのだろう。

「もし、貴殿に今お子が出来たとしたら、晋助の子の可能性はあるのだろうか」

ない、とは思う。思うが、確信はない。知りたかった。これ以上、惑わされるものが出来るのはごめんだ。もし、頷かれたら・・・自分はこの人を蹴り上げてしまうかもしれない。



だが、桂は、力無く首を横に振る。

「それは・・・絶対に、ない」

ほっとした半面、・・・得体の知れない嫌な予感もする。

と言うことは、白夜叉の子だ。それはそれで、危険な気もする。