>>399 余談 慰安旅行3
【万斎】
拙者が、一人になってから割とすぐに、月子は意識を取り戻した。
「あ。・・・???!!」
「気付いたでござるか」
ぱっと、拙者の腕から起きて、何事か、と言う顔をする。
「先程、意識のない月子殿をこの男が抱えているのを見て、晋助が助けたでござるよ」
「た、高杉が????」
足下の男を指し示すと、あからさまに驚く。
「うわっ!」
「立てるでござるか?長居は無用。速く白夜叉殿の部屋に戻るが良いかと」
こくこくと頷く桂。
支えながら、廊下に戻る。
売店の前を通った時、あっと何かを思い出したように桂が立ち止まった。
「高杉はどうした?」
「晋助なら、部屋に戻ったでござるよ」
「そ、そうか・・・また世話になってしまったな」
「まあ、貴方に対しては、特別でござるよ」
と、言えば、不思議そうな顔でこちらを見る。・・・なんとも、きれいなお方だ。桂だけど。