>>396 【高杉】
部屋に戻ると、
Tullll・・・電話が鳴った。
舌打ちと共に、出ると、
「すみませ??ん、フロントですけどォ」間抜けな、気の抜けたような声が聞こえた。
「あの・・・そちらに、長い黒髪の女の人は・・・」
「いねえよ。ヅラなんぞ」
「・・・!!!あっ!!!てめ、高」ガチャン!
なるほどな。
おおかた、ヅラが居なくて、フロントに行ったが、ここの宿屋は秘密厳守が絶対だ。各部屋に電話を掛けて確かめてもらうことも断られたんだろう。
で、自分でひとつひとつ部屋に電話を掛けて確かめている訳だ。ご苦労なこったぜ。
まったく。しっかりしやがれ。
まあ、分かるけどな。
女・・・月子として最後の旅行だろう。
先程の、久しぶりの肌の感触、唇の感触を思い出して、身体が熱くなるのを感じた。
ガキか、俺は・・・。
ああ、一風呂浴びてくるか。頭から水でもかぶらなきゃ寝れそうにねえ。