>>392 「先程、湯あたりをしたとは言っていたが・・・なぜここに」
「さあな。ぶっ倒れたところをその男が介抱していたのかもしれねえな」
そんな男をあんたは更にぶったおしたんかい!!思わずつっこみたくなった。
「おおかた、脱水なんだろ」
桂の近くになにやら売店で買ったらしい荷物が置いてある。
その中に、ペットボトルの水がある。
高杉が、それを開けて口に含み、ためらいなく、桂に口移しで与えた。
はああ!!
「う・・・」
それを、数回繰り返すと、ぼんやり桂の意識が戻ってきたようだ。
「万斎、来い」
言われたとおりに行くと、桂を支えるよう言われる。
「適当に気付いたら、抱えるなりなんなりして部屋に送り届けておけ。フロントには行くなよ。あとで追求されたら面倒だからな」
「晋助は?」
「部屋に戻る」
「え・・・」
「面倒はごめんなんだろ?お前の言いつけは守らなきゃなぁ」
不敵に笑う。
・・・言いつけって・・・またそんな、心にもない、可愛いことを。
「晋助」
「あァ?」
「拙者は、月子殿に触れても構わぬのだろうか」
「・・・くだらねえことを言うな」
フ・・・と嗤って去っていく高杉。
まったく、この人は。どこまで、人の心を操るのが上手いのか。