【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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「万斎、ちっと散歩にでもいかねえか。暇で仕方ねえ」

「・・・いいでござるよ。お供致そう」



一階の、売店近くを通って、廊下を進む。中庭に、ベンチがおいてある。

そこに行こうと思っていた。

ところが、そこには先客が居た。

何か、見覚えがあるような・・・

見れば、髪の長い女と、体格のいい男。カップルか?と思った時、意外にも、つかつかと高杉がその二人に近寄るので驚いた。

どうも、女の方は眠っているらしく、不自然に男に身体を預けている。



「兄ちゃん、何してんだい」

高杉が声を掛けると、男の方はビクッとなる。

万斎も聞きたくない、敵意むき出しのときの声だ。

「だ、誰だ、あんた・・・」

高杉のただならぬ雰囲気と、その威圧に、怯える男。

「てめぇごときが触れていい奴じゃねえよ、そいつは」

言うが速いか、女を抱いていた腕を掴んで、男の顎を強打し、すっ飛ばした。



あちゃ??!

男は、その場で動かなくなった。脳しんとうを起こしたに違いない。



「晋助・・・」

高杉は構わず、その女の頬を優しく叩く。

「う??ん・・・」とは言うが、意識はもうろうとしているようだ。

月明かりに、はっきりと、その顔が見えた・・・

桂。