【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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390名無しさんの次レスにご期待下さい
>>386
「突っ立ってないで、入れや」

どうも、女を追い出すのに今までかかったようだ。

「別に、追い出さずとも良かったのに。拙者は後でも」

「ずっと部屋の前にいながら、よく言うぜ」

「泣いていたでござるよ」

「ああ?鳴き声はうるさかったが。十分満足したんじゃねえかな」

「晋助は、途中だったのでは」

「俺はいい。いつものこったろうが」



別段、気にもとめずそういって、「で、なんだ」と用件を促す。

やれやれ。

万斎は、先程騎兵隊から連絡があった件を手短に放した。全てを聞いた後、すかさず、

「どう思う?」との意見を求められ、自分の意見を言う。この男は、いつもそうだ。自分の意見を求めてくる。

終始、目を細め、歪ませた笑みを浮かべながら、「てめえは相変わらず聡いな」と、言う。

ああ、たまらない。

この男の、こういうところ。



そして、決まってその後で、自分の考えの上を言う。

「まあ、加え言いえば、家持を使って竈を壊させたら完璧だな。家持ちには息子が居た。ありゃ相当などら息子だ。2??3人当てりゃ堕ちんだろ」

「・・・なるほど。適任者を手配いたそう」

「最後に、爆破するなら待機は10人前後ってところだな」

「・・・ちと多くはござらんか」

犠牲者と言うには。一応は戦力だ。

「少なすぎんと、不審に思うだろうが。十人くれえが丁度良い」

平然と、10人の命のやり取りを口にする。この時点で、その10人の命は売られた。
391名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/04(火) 00:20:13.66 ID:znI/QDm00
「・・・承知した。その10人も武市殿とともに選出するでござるよ」

「頼んだぜ、万斎」

“頼んだぜ”

その短い言葉で、簡単に喜ぶ自分がいる。

その言葉を、もらえる人間が本当に少ないことを知っているからだ。

いや、あえて彼がそうしているのかもしれないが。

この男は、こうやって、人の心を簡単に掴んでしまう。そして、捕まれたら最後、惹かれて、やまない。

一応の話が終わり、帰ろうとした時、思い出したことがあった。

「・・・そういえば、白夜叉に風呂場で会い申した」

「は?」

「奥方と一緒に」

「・・・・」

「おおかた、新婚旅行でござろうか」

「へえ・・・」

「用心のため、脱衣所で確認したところ、部屋番号は202でござる。こちらの部屋のことはひとつも言っていないでござるよ」

「・・・」



「先程、・・・途中で中断してしまったのは拙者が悪いかもしれぬが、ゆめゆめ面倒はごめんでござる。今日は、めでたい誕生日故」

「ああ?なんの心配をしてるんだ。奴らのことなんか関係ねえ。女の代わりもいらねえよ」

では、と、部屋を出ようとした時、珍しく呼び止められた。
392名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/04(火) 00:21:21.48 ID:4Q5X61eM0
「万斎、ちっと散歩にでもいかねえか。暇で仕方ねえ」

「・・・いいでござるよ。お供致そう」



一階の、売店近くを通って、廊下を進む。中庭に、ベンチがおいてある。

そこに行こうと思っていた。

ところが、そこには先客が居た。

何か、見覚えがあるような・・・

見れば、髪の長い女と、体格のいい男。カップルか?と思った時、意外にも、つかつかと高杉がその二人に近寄るので驚いた。

どうも、女の方は眠っているらしく、不自然に男に身体を預けている。



「兄ちゃん、何してんだい」

高杉が声を掛けると、男の方はビクッとなる。

万斎も聞きたくない、敵意むき出しのときの声だ。

「だ、誰だ、あんた・・・」

高杉のただならぬ雰囲気と、その威圧に、怯える男。

「てめぇごときが触れていい奴じゃねえよ、そいつは」

言うが速いか、女を抱いていた腕を掴んで、男の顎を強打し、すっ飛ばした。



あちゃ??!

男は、その場で動かなくなった。脳しんとうを起こしたに違いない。



「晋助・・・」

高杉は構わず、その女の頬を優しく叩く。

「う??ん・・・」とは言うが、意識はもうろうとしているようだ。

月明かりに、はっきりと、その顔が見えた・・・

桂。
393名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/04(火) 00:35:49.25 ID:3CuqBe5p0
誰も読まねーオナニー文はチラシの裏にでも書いてろ