【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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だが、どっちにしても。

そのとき、高杉は出てこなかった。

慣れた自分の気配に気づかないはずはない。

そして、気づけば出てこないはずがないのだ。

常の、彼であれば。

それが拙者をとても不安にさせた。

この男を惑わせるものがこの世にあること。それは、とても危険な存在を意味する。

燃えさかる火で全てを焼き尽くそうとしている自分達にとって、消火栓になりかねない。

下手をすれば、晋助自身が死へ追い込まれかねないのではなかろうか。



しばらくして、ドアが開いた。

あわてて女が出て行く。一瞬、目があった。ぼろぼろと泣いている。

おやおや。ずいぶんと若い・・・