【空知英秋】銀魂 二百十四訓

このエントリーをはてなブックマークに追加
359名無しさんの次レスにご期待下さい
さて、この夜。

いつくるか、いつくるか、と、気を張っていたからか。

ドアの気配に敏感になっている気がする。



大体、女達も、分かっていて晋助の相手をしていると思うが、どうも、晋助は不思議な男で、そう言った女達をも、嫉妬に狂わせるものを持っているらしい。

こればっかりは、自業自得でござるよ。

危ない女を乗せるなと言われても、晋助自身が女を危ない女にさせてしまっているのではあるまいか。男も女も虜にするカリスマ性。

それがまた、あの男の良いところでもあり、難儀なところでもあるわけで・・・



そのうち、こないと踏んで

奇麗な娘さんをかわいがっていたら、何者かの気配がする。

晋助ではない・・・ようだが。

晋助でないから、無視して良いだろうか。

しかし、気配はじっと、動かない。

まさか・・・。

まだ、事に及んでいたわけでないので、娘さんにしばし部屋で待ってもらうと、

部屋の扉を開けた。

「あ・・・武市殿?」

「どうも。こんばんは」

「どうしたでござるか?」

「本当に出てきて、おどろいていますよ。いえ、なに。晋助殿に頼まれまして。」

「晋助に?」

「ええ、この時間にここでちょっと立っていろと。そうすると、多分万斎殿が出てこられるからと」

「・・・」

「そして、出てきたら、こう言えと“俺は約束通り、用事がないから部屋にいる”と。はて、なんのことでございましょう」

やられた・・・



「・・・・申し訳ないが、武市殿・・・」