【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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そっと、私室に戻る晋助を呼び止める。

「晋助」

「なんだ?俺はもう寝る」

「・・・実は、一人奇麗な娘さんがいるでござるが」

「だからなんだ」

「今日はもう月子殿からさすがに電話は掛からないでござるよ」

晋助は、ちょっと考えるそぶりを見せた。

「・・・・いらねえ」

「しかし、先回も、今回もでは、さすがに・・・」

「いらねえっつってんだろ。・・・一人で出した方が気楽でいい」

そう言って、さっさと部屋に帰ろうとする。

「なるほど。では、拙者が頂いていくでござる。」というと、

ぴくっと、立ち止まって、晋助が反応を返す。

「・・・・てめえ」

「何でござろう」

「・・・・俺が部屋に立ったら、出てこいよ」

「!!」

「・・・・心配すんな。ちゃんと、用事のある時だけ立つからよォ」

ククク、と怪しく笑う。

ああ、これは一本取られたでござるな。



晋助の“用事”なんて、拙者らにとっては何でも“用事”であろう。

“腹減った“だの、“眠れねえ“でも。

「・・・・拙者とて、邪魔したくてしたわけではござらぬが」

「分かってる。だから、心配すんなっていったろうが。」

と言って、くるりと背を向けて去っていった。嫌な予感がする。