「晋助さん、ちょっと!!」
突然、女が晋助につかみかかる。
「あァ?」
ひらりと晋助がそれをかわしたが、それに更に怒ったように女が叫んだ。
「私以外に大切な人って、一体どういうつもり?!」
「ちょっ、ちょっと待つでござる!」慌てて、取り押さえるが、すごい力で抵抗する。
「私を部屋で待たせておいて、浮気は許さない!」
狂ったように、叫んで、電話を取ろうとする。
晋助が携帯を上に上げると、
「てめ・・・」
止めるまもなく、晋助が女の腹を蹴った。
がくり、と、気絶する女。
「万斎・・・」
「まさか狂乱女とは、思わなかったでござるよ」
「・・・捨てとけ」
「次に地上に着いた時にそういたす」
晋助は、女を一瞥すると、携帯を耳に当てた。