【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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【万斉】

晋助は、必ずこの気配に反応する。

まるで、獣のように。

拙者が扉の前に立つと必ず出てくる。

それは、一人の時も、そうじゃない時も全く同じだ。

例え、女と繋がっていようと、中断してでも出てくるのが常。
そして、出てきても、乱れもなく、割と平然としている。



だが、今日は珍しく、息が上がっていた。

ああ、丁度良いところだったでござろうか・・・。

拙者の所為ではないとしても、同じ男として若干同情した。

まあ、晋助にとってはそんなに重要ではないはずだろうが。

桂の電話を取り次がなかった方が、何を言われるか分からない。


電話を横でなんとなしに聞いていると、だいぶ晋助がつまらなそうになってきた。

おおかた、エリザベスとやらの話にでも脱線したのか。

そのうち、

キイ・・・

女が、部屋から出てきた。なかなか戻らぬ晋助を心配したのでござろう。

「晋助さん、まだ・・・?」

半裸の女性。

妙に艶っぽい女でござるな。

これは美女だ。しかも、グラマー。


晋助が、顎で部屋にもどれと、女に部屋を示す。

「一体誰なの?相手は・・・」

晋助が拙者に視線を送る。

“適当に答えとけ”と言うことでござろう。その為に拙者はいるようなもの。

「まあ、大切な方でござる」

「・・・女ですか?」

「まあ、一応」

「・・・!!」女が、かっとなった。あれ?なぜ。