しかし、万事屋ののんきさとは裏腹に、桂は焦っていた。なにより、これ以上かかるようなら金もいる。稼がねば・・・
「銀時、何か分かったのか?」
「ん??、まだなんも」
「・・・はあ・・・」
と、下の階の大家が家賃を取りに来た。
キッチンにいる、美しい女をみて、あからさまに驚く。そう言えば伝えていなかった。
「いつのまに嫁さんもらったんだい?」と心底驚いた様子のお登勢に、
「気色悪いこと言うな」と銀時はうんざりしたような顔をした。
言えないけど、これ、ヅラだから。テロリストで、天然で、電波な男だから!
だが、何を思ったか、桂は突然お登勢に
「下のスナックのオーナーさんですよね?俺を働かせてもらえないだろうか」と頼みだした。
「おいおいおい!何言い出すの!!」と、銀時は驚いたが、すかさず、お登勢が
「あんた、甲斐性ないにも程があるよ!嫁さん働かせてどういうつもりだい!」と、煙草片手にすごい剣幕で詰め寄る。
それを、間に割ってはいるように、
「いや、俺は嫁じゃない。依頼人だ。依頼料を作るためにも、働かせてもらえると助かる」 と、桂が言った。
「ああ、そういうこと・・・そうだねえ。ちょっと人手が足りないから、お願いしようかねえ」
気の良いお登勢は快諾してくれた。