「ま??、最後に勝てば官軍なわけだから」
「あら、大人になったじゃないか、銀時」
「ふん」
外に出てみると、確かに満月だ。
白くぽっかりと光り輝いている。
江戸の空に・・・
そして、満月にくっきりと浮かぶ一艘の船の輪郭。あの船は・・・あの形は。
・・・鬼兵隊。
となりの桂が、はっと息をのんだ。
お前、一体どういう状況で奴と月なんか見てたんだよ。
問いつめたいけど、もうやめだ。
過去は過去。消したくても消えない。変えたくても変えれない。
それは、俺たちが一番よく分かっていることだ。
あのころから、
分かりすぎるくらいに。
やり直せないことも。
だから、お前のことだけは、
これからだけを見ていく。・・・・つもり。
・・・多分。