「こんな、かぐや姫の帰る日は。意志の強い奴は何をしようと自分の生きる世界に戻るだろうよ。だが、俺ァねえ・・・無駄と知りつつも、たとえ月が恋しくて泣こうが喚こうが、
天の衣を一生隠してしまいたい、と思うときがある。」
なんじゃそら。言ってる意味がよく分かりません。ていうか、何かどっかで似たようなこと言われたような・・・。
桂が何か考え込んでいる。何だよ、その顔・・・何でそんな哀しそうな・・・
「高杉、貴様・・・もしかして」
だが、奴は桂に言わせなかった。その言葉を遮った。
「そういえば、さっき、銀時にてめえらの聞きたくもない情事を聞かされたが」
「は??」
「まあ、少しくらい演技でも良いから、喘いでやれよ。・・・あの夜みたいにな」クククと、笑った。桂が、なにか思い出したのか、ガーーーっつと、赤面して、言った。
「っ!!!!変態!!!」瞬間、
「はああああ!!!!なんだ、あの夜って!!!嫌なこと言うんじゃねえ!!バーカ、バーカ!!!!」と、とっさに我慢できず電話を奪っていた。
「クク・・・やっぱり聞いていたのか。そう言うこったろうと思ったぜ。お望み通りだろ。伝えてやったんだ、ありがたく思え。これで貸し借りナシだな。じゃあな」
プツ・・・ツーツーツー
バリン!握っていたグラスが砕けた。
「・・・・っつタマ来た??????!!!!なにあいつ、何様???」
「アハハハ、こりゃ一本捕られたのう」なんてのんきに笑う坂本。キャサリンも嫌な笑い方をする。お登勢のババアもにやにやしやがって。俺の怒りは収まらない。でもって、
「ヅラ君??、あの夜って何??どの夜??!!何したの?変態プレイ???」
「そんなわけなかろう!!!」
「金時、そりゃ、野暮ってもんじゃ??アハハハハ」
「アハハじゃねえ!モジャ!!」
もう、俺は桂につかみかかる寸前だ。なにしろ、気にくわないのは、桂が貌を紅くしたまま俯いてこっちを見ようともしないことだ。
くっそ??????!!てめえって奴は・・・
「気障な男だねえ。・・・だけど不器用だ。だからいい女を逃がしちまうんだろうね・・・」
ふーーと、お登勢が煙を吐いた。
ああ、どうせこうやって俺をやきもきさせて楽しんでんだろうな。あいつ。趣味悪い・・・腹立たしいけど、それもこれも奴の思うつぼかと思うとこれ以上険悪になるものばかばかしい。