【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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32名無しさんの次レスにご期待下さい
2.将軍の申し出

ということで、真撰組に探りを入れたが全く分からない。

そうこうしているうちに日にちだけがたち、2週間過ぎた。何とも奇妙な光景だった。

「行く当てがない。党に戻るわけにもいかんし、(しばらく留守にすると言ってある)かといって泊まり歩く金もない。泊めてくれんか」

最初こそ銀時は渋っていたものの、桂は朝が早く、意外にも家事が得意だった。

朝起きたら、キッチンから良いにおいがしていて、泊めてもらう変わりに、と、食事の支度や洗濯をしてくれていた。

「そういや、こいつ、あんときも何か料理当番だったよな・・・」と、過去を懐かしく思いつつ、まるでお母さんのような桂を見ていた。



いそいそと食事の準備をする妙齢の美女。しゃべらなければ、桂じゃないと思えば、何とも様になっている。

銀時は、これで二人っきりだったら、まるで夫婦みたい・・・と甘い考えが浮かぶのを振り払い、いやいや、でもこれ電波野郎だから!と思う。

だが、不思議なことに、悪い気はしなかった。

神楽も、「楽で良いアル??ずっといて良いよ、ヅラ」と言ってごきげんに受け入れていた。
33名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/11/26(月) 16:56:03.11 ID:Das7Auxt0
しかし、万事屋ののんきさとは裏腹に、桂は焦っていた。なにより、これ以上かかるようなら金もいる。稼がねば・・・

「銀時、何か分かったのか?」

「ん??、まだなんも」

「・・・はあ・・・」



と、下の階の大家が家賃を取りに来た。

キッチンにいる、美しい女をみて、あからさまに驚く。そう言えば伝えていなかった。

「いつのまに嫁さんもらったんだい?」と心底驚いた様子のお登勢に、

「気色悪いこと言うな」と銀時はうんざりしたような顔をした。

言えないけど、これ、ヅラだから。テロリストで、天然で、電波な男だから!



だが、何を思ったか、桂は突然お登勢に

「下のスナックのオーナーさんですよね?俺を働かせてもらえないだろうか」と頼みだした。

「おいおいおい!何言い出すの!!」と、銀時は驚いたが、すかさず、お登勢が

「あんた、甲斐性ないにも程があるよ!嫁さん働かせてどういうつもりだい!」と、煙草片手にすごい剣幕で詰め寄る。

それを、間に割ってはいるように、

「いや、俺は嫁じゃない。依頼人だ。依頼料を作るためにも、働かせてもらえると助かる」 と、桂が言った。

「ああ、そういうこと・・・そうだねえ。ちょっと人手が足りないから、お願いしようかねえ」

気の良いお登勢は快諾してくれた。
34名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/11/26(月) 16:57:28.09 ID:wJEWYiym0
その日の夜から桂はスナックお登勢で働くこととなった。

「ヅラ??、夕飯ちゃんと作ってから働きにいくあるよ??」

神楽が、そんな心配だけをしていた。
35名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/11/26(月) 16:58:31.49 ID:kwqxgoOM0
桂がスナックお登勢で働きだして、上手く生活バランスが出来てきた。

朝方、帰ってきた桂は朝食を作り、みんなが食べた後、寝る。

今まではソファーで寝ていたのだが、銀時が起きた後なので気兼ねなく布団で眠れて存外よかった。

なぜソファーで寝起きしていたかというと、最初、「寝室に予備の布団があるのだから貸せ」と桂が言うのに対し、

銀時がどうしても嫌だと言ってきか無かったからだ。

それで、仕方なくソファーで寝ていた。まあ、戦時中のことを思えば、何処ででも寝ることなど出来るのだが、布団で寝れるに越したことはない。

この生活の方が、万事屋にやっかいになる以上、桂には合っていると思えた。



銀時は、銀時で、「お前はあくまでおまけなんだからソファーで十分」と言っておきながらも、一緒の部屋で寝るのを拒んだのには本当は大きな理由があった。

どうにも、桂と思っていても、女である。変な気分になってしまいそうだったのだ。

いや、いやそれはない!

・・・と、頭で否定できても、身体が否定できるかは別だ。これ以上ややこしいことになりたくなかったので、