【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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288名無しさんの次レスにご期待下さい
>>286
お前・・・俺だって、お前が嫌いではないに決まっている。

だからこそ、戦争が終わった後だって、遊びに来ていたし、なにかと協力したり、してもらったり。

・・・できたら、また共に攘夷活動をしたいと考えているのだ。かなわぬ事と知っていても。



「今更だな・・・」

「ん?」

「俺だって、好きだぞ。知らなかったのか?」

「マジ・・・!!!!」



あり?今、ものすごく紅くなってるぞ。お前。俺変なこと言ったか。



「ただいまある????!!」リーダーが帰ってきた。

「あれ、銀さん、顔赤いですよ。熱でもあるんじゃないですか?」

新八君も。ああ、食事の支度しなければ。



なんだか慌てる銀時を横目に、

こんな時間が、もう少し長く続くといいな、・・・などと不覚にも思ってしまった。
289名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/01(土) 16:22:43.69 ID:TH8MEIvg0
余談: 父親



幾月か過ぎて、江戸にとある目的でぶらりと立ち寄ったら。

本当に偶然、桂に会った。

買い物かえりか。何だか買い物袋をぶら下げて、

胸に、生まれた子供を抱いていた。

そう言えば、銀時が“弟になった”だのと抜かしていやがったな。

笑わせる。

ままごとのような芝居夫婦も伊達じゃなかったのか。

名を聞けば「松之助」だとか。

偉く上等な名をやったもんだ。

あの人の名を付けるなんて、

何だか無性に苛立った。
290名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/01(土) 16:23:22.48 ID:12ZBYD0Z0
一瞬、切り捨ててやろうかとも思ったが、

そんなことに意味はねえ。

だが、俺の一瞬はなった殺気に、

ちゃんと桂は反応していた。

まだ、一応錆び付いちゃいないようだな。

それが、何だか妙に楽しい。



あいつが、「縁のものに名をもらった」と言ったので

ああ、こいつは俺の子だったのか、ということを知った。

驚かなかったと言えば嘘になるが、疑惑が確信に変わっただけの話だ。

そっと、まだ毛の生えそろってないような頭をなでれば、

ガキがぽっかりと目を開けて俺をみやがる。
291名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/01(土) 16:24:05.57 ID:Y18513Lu0
きりっと髪を結い上げて、あの紅い簪を付けて、なんだか得意げな桂の様子に、

面白くなくて

そっと抱き寄せれば、抵抗しない。ふんわりと、懐かしい匂いがした。

だから、

相変わらずの白い項に吸い付いてやった。

案の定、簡単に跡が付く。

・・・

ざまあみろ。

悔しがるであろう、銀髪頭の男を思い浮かべた。

あいつの独占欲は半端じゃねえ。



そっと桂の耳元で、

言おうか言うまいか迷っていた言葉を告げた。

そのあとは、とてもじゃないがお前の顔が見れない。