なんとも、不思議な話もあるものだ。
天人の雌化薬とやらを盛られて、どうも雌化・・・女になってしまったらしい。
種の保存のため、絶滅危惧種に本来使われる薬だそうで、雄が増えるよりも雌が増えた方が繁殖しやすいことからそれを目的として使われている。
どうやら子供を産むとやがて元に戻ると言うが、そんなこともしていられない。
そんな馬鹿な・・・と銀時たちは思いながらも、今の桂を目の当たりにしては否定できない。
当の本人は、もう状況把握を嫌というほどしているのだろう、落ち着いていた。
「なんとかしてほしいのだ。できたら、1ヶ月以内くらいに」
「無理だろ??・・・つーかホントにヅラ?ホントに女?」ちょっと見せてよ、と言って桂の胸元に手をかけようとしたとき、
懐かしいアッパーカットが飛んできた。
「ぐはあっ!!」同時に、
「ヅラじゃない!桂だ」とすかさず返す、その話っぷりは桂そのものだ。