そんなことを悶々と考えながらかえると、敏感にそれを察知したのか
(その勘の良さは動物並だ)
「どうした?」と聞く。
「なにも?」
「そういや、出かけるとき、髪結ってなかったっけ?」
「風が強くてな」
「何かあったろ」でた。しつこい。
こう言い出したときの銀時をはぐらかすのは無理だ。
「・・・高杉に」
「はあ?あいつ、最近おとなしいみたいだったけど、江戸にいんの?」
「ああ、今日会った」
そう言えば、予想通り、ものすごく嫌そうな顔をした。
「会って、ただ立ち話をしただけだ。それ以外何もない」
本当に何もないのだから、と、奴の目をしっかり見て言う。