(桂視点)
***数日後***
たまに、銀時が思い出したように俺の布団に入ってくるようになって、何回か過ぎたとき、
やけにしつこく絡んでくる日があった。
すぐ近くに、リーダーもいるというのに、あの忍者の娘とているかもしれないというのに。
「ヅラァ・・・覚悟しろよ、」
にやりといたずらっぽく(ああ本当にこれはいたずらするときの顔だ。子供の頃からこればかりは変わらない)笑って言った。
そうして、俺が反応するところばかり責め立てて、俺を追いつめる。
でも、そのうち、結局自分の良い行為に没頭していく。
だから、ギリギリのところで、俺は助けられるんだ。
お前の求めてることは何となく分かってる。
でも、俺は女であって女ではない。
だから、女のように振る舞うのだけはごめんなんだ。
きっとお前が同じ立場だったらそうする。
ここが、もし二人だけだったら、百歩譲ってお前の期待に添ってやることも出来たかもしれないが、生憎そうじゃない。
寝間着を整えると、さも当然のように右手を差し出してくるので、その上に頭を置く。
その体温が心地よくて、眠気におそわれる。
それにしても。
一言言ってやらないと気が済まない。
お前は忘れているのかもしれないが、俺には子供がいるんだ。
こんな事が続いたら身が持たない。というか、子供が心配だ。
「お前は、しつこい・・・・」
それだけ言うのが精一杯だった。後は眠りに落ちるだけ。
・・・・
夢か、それとも願望か。
俺が本当は本当に女で、
こうやって一生送っていくのも悪くない・・・なんて思った気もする。
それはそれで気持ち悪いか・・・やっぱナシ。
***数ヶ月後***
子供が生まれて、三ヶ月くらい経った頃。
高杉にあった。
久しぶりにあったあいつは全く変わっていなかった。見かけは。
本当のところはどうなんだろう、計りかねている。
そんなことを悶々と考えながらかえると、敏感にそれを察知したのか
(その勘の良さは動物並だ)
「どうした?」と聞く。
「なにも?」
「そういや、出かけるとき、髪結ってなかったっけ?」
「風が強くてな」
「何かあったろ」でた。しつこい。
こう言い出したときの銀時をはぐらかすのは無理だ。
「・・・高杉に」
「はあ?あいつ、最近おとなしいみたいだったけど、江戸にいんの?」
「ああ、今日会った」
そう言えば、予想通り、ものすごく嫌そうな顔をした。
「会って、ただ立ち話をしただけだ。それ以外何もない」
本当に何もないのだから、と、奴の目をしっかり見て言う。
ふーん。と、興味ないようなそぶりで、だが、確かめるように俺の髪を上げる。
「・・・」
「・・・」
「ヅラく??ん、ヅラ君。この跡なあに?」いつもの、怒り爆発寸前の声色。
「なにかあるか?ではきっと虫にでも刺されたのだろう」
「うそつけやああああ??????!!!!何したの、あんた達!!??まさか浮気したんじゃねえだろうなあ!!!!
ちょっと、これは問題ですよ??!!夫婦の危機ですよ!!!俺、元彼とまだ会う彼女とかも絶対許さない方だから!」
と吠えたてるので、
「あいつは元彼でも何でもない」
しれっと言ってやった。そしたら、あろう事か、殴ってきた。
貴様!!!!それこそ、DVだかんな!!!こっちこそそんな暴力夫は願い下げだああああ!!!
何にもないと言っているのに、浮気ってなんだ!!!
貴様こそ、ろくに稼いでもないくせに、束縛はしまくりだし、俺の携帯たまに見てるのも知ってんだかんな!!!
離婚結構、なんなら、これから市役所いこうか!!!さあ来い!!