【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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271名無しさんの次レスにご期待下さい
>>264
だが、そのすぐ後、低い声でヅラが言った言葉で、高揚した気分が吹き飛んだ。



「どうする?」



一瞬、意味がわかんなかった。

「え?いや、どうするって何???産んでどっちが育てるかって事?それとも、なんて名前にするかとかそう言う相談???」本当に、分からなかったんだ。



まさか、

「いや・・・産むか産まないか」そんな選択肢を言っているなんて。



思わず、というか、一瞬でかっとなった。同時に、ダン!!と大きい音がした。

「どういう意味?」自分でも怖い声だと思うが抑えられない。

「・・・もう一年、男に戻るのが遅れる・・・」

「だから、その子を犠牲にするってのか??」

こいつの言っていることが理解できない。こればかりはさすがに頭に来る。本気で怒る。
272名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/01(土) 00:42:50.17 ID:bBMgbuIo0
「男に戻りたいから、殺すのか?!」

「そう言う意味ではない」

「じゃあなんだ!あいつの子は産めても俺の子は産めないってか?!」

「ただ、これ以上は迷惑になるかと思ってだな」

「もういいよ」



本当に、もういい。こいつは最悪な天然野郎だ。

お前は、産みたくない訳じゃないんだ。

ただ、これ以上万事屋に迷惑をかけたくないと言っているんだ。そうだよな?

こいつには、はっきり言わなきゃ分からない。

どんなに俺が、うれしくて、喜んでいるかも。迷惑なんて思っているはずもないことを。



つっと奴に近づく。怯えたような顔をする桂。

なあ、桂、頼むから。拒まないで。

「迷惑じゃないから、産んで欲しい・・・」
273名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/12/01(土) 00:43:42.96 ID:0saTKppy0
お願い、お願いだから。

俺に家族をちょうだいよ。

俺に、幸せをちょうだいよ。

きっと、同じだけ、返すから。



この、凍てついた氷のような心を、

溶かしてくれるのはお前しかいないんだよ。

昔の俺を知っていて、今の俺を知っている。

そして、側にいて、分かり合える奴は、家族のいない俺にはお前しかいない。



だから、お願い。

一緒にずっといれないのも分かってる。

この夢がいつか終わるのも。

お互いの道が違うのだから。



でも、だからこそ、夢が終わるその最後の一瞬までのお前は、

俺にちょうだい。