「貴様はそう言う男だ、昔から。だから、別に怒ってはいないし、責めるつもりもない。だが、なんの目的なのかが釈然としない。
俺と身体を合わせることで」何の得があるのか。そう言おうとしたら、最後まで言い終わる前に、話の腰を折られた。
「お前は、相変わらずなんだなぁ、ヅラ」
「人はそうそう変わらぬよ・・・狂ってしまう奴もいるようだが」じろりと奴を見ると、
何がおかしいのかクククと、また笑った。
「男が女に興味を示すのに、理由なんかありゃしねぇだろうが」
「得意の理屈付けか。そんな甘いものではなかったと思うがな」
キッと睨み付けると、高杉が嫌に真剣な面持ちで見据えてくる。なんだというのだ、一体。おおかた、俺をかくまったのは幕府にでも高額で売りつける気だろう事は予測していた。
しかし、俺に対してああいった行動に出る意図が今ひとつわからない。俺の理解を超えている。
超えているところで、こいつが良からぬ事を考えていて、その為に俺を利用しているのだとしたら、その計画を暴いてやりたい。
そして、阻止せねばならない。