「貴様は、昔から、派手で一見して無茶な戦い方をする男だ。だが、それは無鉄砲で考えなしというわけではない。
貴様なりの緻密な計算合ってのものだったことを俺は知っている。お前は、無謀に見えて、その実誰よりも計算高い。
だから、俺とは戦略方法で衝突することも多かったが、半面、お前のすることに間違いないと信頼もしていた。
けれど、一方で貴様は目的のためには手段を選ばない男だ。ひどく言えば、自分の目的、計画のために仲間をも平気で自分の駒に出来る奴だ。
俺は、貴様の、そう言うところが本当に嫌いだ」
「・・・フン」にやりといつもの笑い方をする。
「紅桜に飲まれたあの男のことも、お前の計算のうちなのだろう。・・・哀れなものだ」
「あれは、奴が望んだことだ」
「そういうもっともらしい理屈付けをするところも嫌いなんだ」
「嫌いなとこばっかりだな」クク、と、楽しそうに高杉が笑った。
「昨日は、・・・俺のことも、あやつと同じなのだろうと思った」
「・・・・」