つっとこちらに近づいて、「よう」と言った。
胸の子に気づき、「奴の子か」と聞く。
なんと返事をしてみようもないのでこたえあぐねていたら、肯定と受け取ったらしい。
「お前さんもずいぶんと趣味が変わったモンだなぁ」と、小馬鹿にしたように言う。その言いぐさにカチンと来たので、
「貴様に言えたことか」と言えば「・・・ちげえねえ」と笑った。
そして、ふと思い出したように言った。
「ガキ産んだ割に、その姿とは、がせだったようだな。」
「解毒剤も持っているのだが、この子に乳もやらねばならぬのでな」
「・・・へえ」
高杉の気配を感じてか、子供がもぞもぞと動くので、奴もそれに注意をやる。
親子というのは、やはり見えぬ絆があるのだろうか。