【空知英秋】銀魂 二百十四訓

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8.これからの道



すこしして、男の子が生まれた。

まだ桂が男にもどる気配はないが、「乳が必要なうちはもどれぬ」といかにも桂らしいことを言うので、

そのまま、まだ万事屋にいる。

生まれた子供は、あまり夜泣きもせず、手がかからなかった。周りが冷やかしに来たり、世話をしに来てくれるので助かっている。

お父さんに知らせなくて良いのかな?と銀時は思うが、いやいやいや、何かもうそれ考えると気分悪くなるから辞めようとも思う。



子供が三ヶ月になった頃、桂が息子を胸に抱きながら、買い物に行った。

夕暮れ時。一人の浪人風の男が橋のたもとに立って夕日を眺めている。その風情が、やけに情緒的で、不覚にもじっと見つめてしまった。

男が、こちらに気づいて自分を見る。傘ごしに視線を感じる。

この気配、たたずまい、間違いない。

----高杉。

いつもの派手な着物ではなく、ごく普通のなりだったので一瞬分からなかった。