>>100 俺は、どうしたらいい?
お前を止めればいいのか?
それとも、知ってて見ぬふりをすればいい?
・ ・・・
あ??もう!
「がらじゃねえんだよ・・・」がりがりと頭を掻いた。
俺はお前の考えなんか知らない。
俺は俺のやりたいようにやるだけだ。
華やかな花嫁行列。きっと高杉も見ていることだろう。
行列が、大通りに出たところ。
人混みの中をかき分けて、籠に走り寄る銀髪の男がいた。
大声で、叫んだ。
「ヅラ??????!!!!やっぱ、俺のところに来い!!!」
なんとも、大胆なプロポーズ?であった。
「お前がいないと生きていけない??????!!!おれと結婚の約束したじゃないかあああ??????!!!」
取り押さえられながらも、一歩も引かない。
なんなのだ、一体。どういう設定になっているのだ。と、考えを巡らす桂。
「好き合っているのに、俺たちの愛は、権力にまけるのか?」
くそ恥ずかしいことを大声で言うな。
「お前がいれば俺はそれだけで良いんだアアア!!!」
そういうことか・・・
まったく。
どいつもこいつも肝腎なところは変わらない。
俺だって、
変われなかったよ。
高杉。
ようやく、その声に反応して籠から顔をのぞかせた桂は笑って言った。
「私も、貴方を愛しています!!!貴方となら、何処へでも!!!」
大げさな、茶番だった。
正式に、桂と銀時は将軍にごめんなさいと謝罪をした。
あろうことか、将軍は、「好きな方がいたから、迷っていたのですね。正直に打ち明けて下されば良かったのに・・・」と笑顔で祝福してくれた。
それどころか、それはそれは金の刃履きと留め具のある立派な刀を持ってきて、「これは私が元服した折り、先代から頂いたものです。
これをふるうことは今後ありますまい。その誓いとして、貴方に祝いを兼ねて贈ります。もし、誓いが破られるようなことあらば、
この剣で私を斬るのも良し、金策に困ったら売って下さっても構いません」と付け加えて。
なんとできた人だろうと、桂は感服した。
それを聞いていた銀時は、最後の“売って金にする”という言葉に思いをはせていた。
そうした事情合って、何週間か経った頃、万事屋で結婚式が開かれることになった。(というのも、そうしなければ納得されなかったためだ)
まあ、形式上の結婚式であったが、万事屋に何人かがお祝いに来てくれた。
事情を知らない万事屋以外の面々は、(特にさっちゃんの攻撃はすごかった)非常に驚いていたが。
なんやかんやとにぎやかな祝いの席で、桂が突然、気分を悪くしてトイレに立った。
それを見たお登勢がすかさず
「おやまあ、銀時、あんたって人は、結婚前になにやってんだい」
と言ったので、「はあ?何言ってンだ、ババ・・・」と言いかけて、
突然その言葉の真意に思い当たったところがあったのか銀時は、青ざめてトイレに駆け込んだ。
案の定、うずくまった桂は吐いていた。・・・・・・・
「ヅラく??ん、ヅラ君・・・どういうこと?」
「あ・・・すまない。どうやら何かにあたったらしくて・・・」
「いやいや、みんな同じもの食べてるからね、コレ。っつーか、昨日もその前も同じモン食べてるからね!!!!」
「そうか・・・?」
とぼけたような桂の肩を掴み、ゆする。
「ていうか、なんだそりゃ??????!!!!てめえ、結婚式当日に誰の子を身ごもってるの???!!ひどくない??!!
コレって何、成田離婚じゃなくて結婚式離婚かああああ!!!!」
ドカーッ 蹴り倒された銀時。
「うるさいアル!」