やってみたけど作中で独特の意味を持つ固有名詞が多くて未読にはチンプンカンプンだなこれ
元ネタは文章に無駄がないから削りにくいし、あんま比較にならんかも
でもまあとりあえず抜き出したんで元ネタからどうぞ↓
慶国首都、堯天。本格的に陽射しが温んだ王宮に、ようやく遊学中の王が帰還した。
帰還して五日、王は王宮の奥にこもって出てこない。もと冢宰靖共、和州州侯牙峰、
そして和州の止水郷郷長昇鉱が捕えられた。逮捕を命じたのは王で、これに官吏は驚愕し、
ある者はひどく反発したが、とりあえず内殿にさえ出てこない王に異論を言う術がない。
(略 王が帰還するや、名のある大臣や地方領主の更迭を命じたことに戸惑う官吏の描写)
さまざまな思惑が入り乱れて五日、ようやく王が諸官を召集、主だった官を外殿に集めたのだった。
(略 2ページに渡って、朝廷の大改革人事を王自ら発表する描写)
「みんな、立ちなさい」
ざわ、と諸官は困惑して顔を見合わせる。おそるおそるというように、立ち上がり、
身の置き場に困ったように、周囲を見渡した。
玉座の王はそれを見渡してうなずく。側に控えた宰輔を振り返った。
「これは景麒にも聞いてもらう――わたしは人に礼拝されることが好きではない」
「――主上……!」
宰輔の咎める声に、王はわずかに苦笑する。
「礼と言えば聞こえは良いが、人の間に序列あることが好きではない。
人に対峙したとき、相手の顔が見えないことが嫌だ」
(略 1ページ半ほど、地位でもって他人に服従を強いることへの否定とその反応)
「私は、慶の民の誰もに王になってもらいたい」
言い放つ声は明確だった。
「地位でもって礼を強要し、他者を踏みにじることに慣れた者の末路は、
昇紘・呀峰の例を見るまでもなく明らかだろう。
そしてまた、踏みにじられることを受け入れた人々がたどる道も明らかなように思われる。
人は誰の奴隷でもない。そんなことのために生まれるのじゃない。
他者に虐げられても屈することない心、災厄に襲われても挫けることのない心。
不正があれば正すことを恐れず、豺虎(けだもの)に媚びず、――わたしは慶の民に、
そんな不羈(ふき)の民になってほしい。己という領土を治める唯一無二の君主に。
そのためにまず、他者の前で毅然と首(こうべ)を上げることから始めてほしい」
言って王は諸官を見渡す。
「諸官はわたしに、慶をどこに導くのか、と訊いた。これで答えになるだろうか」
諸官の返答はない。視線だけが王に向かう。
「その証として、伏礼を廃す。これをもって初勅とする」
【十二国記シリーズ「風の万里 黎明の空」下巻361から367ページ 1994年9月6日第1刷発行】
続いてマギを代表する名シーンと名高いらしいアリババさんの演説シーン
その日、王宮の前には国の変革を見届けようとバルバッド国民のほとんどが集まっていた。
両王子は彼らに宣言した。アブマドの退位、王政の廃止、そして、共和制バルバッドの誕生を。
今後の国の政治のありかたのすべてを。国民たちは、驚きと戸惑いを持ってそれを聞いた。
国民「共和制…王のいない国…になるのか…」どよどよ…どよどよ…
銀行屋の声『そう上手くいきますかね? 群衆も結局は、支配を必要とするのです』
アリババ「突然のことで、戸惑うかもしれない。共和制とは、自分たちで自分を治めると
いうこと………しかし、そんなことはもう…ここにいるみんながやっていることだと俺は思う。」
国民たち「………?」
アリババ「この傾いた国の中で、重税、貧困、圧力、様々なものと戦いながら、自分と家族という
小さな領地を今日まで守り抜き、治めてきた人たち。それが、ここにいるあなたたちではないのか。
そして、その苦汁を強いてきた王族・貴族はもういないんだ……ここは世界の中にあって…
戦乱、混乱、異変、様々なものが、これからもふりかかるだろうけど……………
その度どうすればいいか、考えよう。答えを出すのが難しい時にでも、自分が家族と幸せに暮らす
方法を、考えて選び取る。勇気を持って!全員で足を踏み締めて、この地で生きていこう!
それが新しい、バルバッドの姿だ!」」
【マギ15巻第64話「バルバッド共和国」 2010年9月29日少年サンデー初出】
もともとの世界観設定やそっくりのキャラクター、
王族が自ら反乱軍に身を投じるという似たような流れがあった上でこの演説というのがね
個人的には「自分と家族という小さな領地」でパクリを確信しました