「ヅラぁ…お前のナカきゅうきゅう締め付けてるぜ?」
そう言って銀時は桂の下口に飲み込まれた3本の指のうちの一本をクッとまげて肉壁を抉る。
「んぁっ…あ…銀と…き…!」
桂のいい所を銀時の指が掠める度に、桂の唇からはとめどない唾液と喘ぎが零れた。
後ろしかいじってないのにもかかわらず、桂のペニスは赤くぱんぱんに張り詰め、先走りに塗れている。
「ここ、そんなにイイの?上の口も下の口も息子までダラダラだらしねーなぁ」
銀時は口角をあげていやらしく笑い、全ての指を抜いた。
ずるりと異物が抜ける感覚にさえ桂は体を震わす。
「ぅああっ…!やだっ…」
まだイってないのに刺激がなくなり、もの足りなさに後ろが熱く疼く。
「あぅっ…も、やだっ…」
耐えきれずに右手が自分の後ろに移動するが、すぐに銀時によって遮られ、帯で後ろ手に纏められてしまった。
「駄目じゃん。俺に許可取ってないでしょ?」
銀時が意地悪く桂を覗き込む。
桂はもうおかしくなりそうだった。
目の前で動く唇にむしゃぶりつきたい。
強く長い指で振れられたい。
銀時の大きくて自分を淫すものが欲しくてたまらない…
「やだぁ…銀時っ…わかってるだろう…?」
乾いた涙の上からまた涙が伝う。
涙の溜まる瞳に見上げられた瞬間、銀時のペニスが膨れ上がり少し焦る。
(やっべーこの年でパンツに射精ってやべぇだろ!)
「うっ…ぎ銀時の、それが…ほ、欲しいんだって…!」
頬を真っ赤に染めて目をそらす桂に我慢の限界を感じ、銀時は下着から自分のペニスを取り出した。
目の前に現れた大きくて赤黒いものに、桂はごくりと唾を飲む。
「仕方ねーなぁ。ほらケツ出せよ。」
余裕のフリをしてるが内心ぶち込みたくて仕方がない。
両手を縛られ快感にとろけた桂の緩慢な動きにじれて、強引に腰を引き寄せると後ろから自分のものを桂の穴にねじ込んだ。
「ぁぁあああっ!」
桂は大きく喘ぐと背を反らしてビクビクと痙攣し、射精した。
不意な締め付けに銀時は顔をしかめた。
「くっ…オイオイ早えーな!悪いけど俺まだだし動くよ?」
と、少し腰を引き、先端で桂のイイ場所を目指して突き上げる。
「あぁぁっ…!銀時、まだ…やっ!」
腰を打ち付ける度に、桂からは悲鳴に似た喘ぎが漏れる。
「痛っ銀と…上っ向かせ…あぁ…はっ…」
桂が何か言おうとしていたが、銀時はそれどころではなく、夢中になって桂のナカを貪っていた。
「あっんっ…んぅぅっ!」
喉の奥で呻くと、桂は再度射精した。
限界が近かった銀時は、その締め付けに耐えられずに桂のナカに白濁をぶちまけた。
「はっ…はっ…」
脱力して桂の上に倒れ込み、荒く息をする細い身体を抱きしめる。
ぼんやりと目を開くと、畳に血を擦りこんだ後があった。
ばっと起き上がり桂を仰向けに転がすと、手を後ろに縛っていたために、肩や胸、頬や顎が赤く剥けていた。
途端に桂に対して申し訳ない気持ちが込み上げてくる。
「ごめんな…」
汗に濡れた漆黒の髪を優しく撫でる。
そして、目を瞑りゆっくりと呼吸を整えてる桂に、軽いキスをした。
―――ヌヂュ!
「ん゛んっ!?」
―――グッ、ググッ!!ズプズプ、ズッ、ヌプププゥゥッ!!!
「んぁ、あぅっ!?ぁ、ひあ、あっ、ああああああーーーっっ!!!」
―――グチュン!!!
完全に沈んだ桂の腰。熱く張り詰めた剛直を飲み込んだ柔らかな尻たぶが、銀時の太腿と密着する。
一際高い嬌声で桂が吠えた。
自身の先端、緩んだ蛇口から出っ放しになっている薄まった白濁が、果たされた挿入に悦んで零すその蜜の量を増やす。
(っっ…ン!ふぁぁあっ!?…、…ぁ、あっ…ぅ、ぁあぁああっ……き、気持ちィィっ!気持ちイイ気持ちイイ気持ちイイっっ!!
銀時の…ふ、太くてっ、お尻、グチュって、ピッタリっ…は、挿入ってぇっ!!か、硬いの奥まで刺さってぇえっっ…!!
…あ、…ふはぁ、ン、…気持ちぃいっ…、…だ、駄目、駄目だ俺ぇっ……、こんなに気持ちぃオチンチン知らないッ…!お尻のウズウズ止まらないッ…!こ、こんなの感じ続けたらぁっ、…俺の身体っ、…頭っ、……おかしくなるううぅっ!!!)
あの茶器に口をつけた時より気が狂う程の熱に悩まされ、敏感に開いてしまっている身体。
どれ程水を取ろうと喉の乾きは癒えなかった。衣服が皮膚を擦れるだけで小さな電流がビリビリと走った。
奥まった部分がずっとずっとむず痒くて、欲しくて、熱い肉塊がメリメリと壁を割って中へ深くへ潜り込んでくる感触を心の底から渇望した。
「っひ、ひぁ、ンんっ…あっ、ああっ、ふぁあぁ、ぅうっ、…ヒ、あぁあっ…っく!!」
漸く叶った結合に過ぎる悦びを感じる桂。両目からボロボロと涙を零した。
泣きながら跨る銀時の腹に手を付いて、夢中になって腰を上下に激しく揺さぶり始める。
ユサユサ。ズッポズッポ。ヌプ、グリュグチュ。パンパン。
「ぁ、んぁ、ゃあ、あ、あぁっ!」
(やぁああああっ!こ、腰動くの、止まらないぃぃっ……!!)
暫くの間、途切れ途切れの喘ぎ声、擦れ合う粘膜とぶつかり合う肌の音、そして結合部から上がる透明な飛沫が、室内に流れる空気と2人の間を満たした。
っく、…ご、御免っ……!銀時、御免っ!!…あ、謝るから、もうっ……!!
「何が?」
薬に急かされた桂が一方的な腰の律動を開始して、どれだけが経っただろうか。
四半刻かも知れないし、もしかしたら5分と経っていなかったかも知れない。
そのどちらでも、桂にとっては永劫続くような長く耐え難い苦しみの時間に感じられた。
ッズッチュ!ズン、ズプッ、ズンッッ!!
(ひっう!!ぅあ、くぅうぅうっ…!?…どうして…っ、中っ、もうずっと擦れてっ…イイの、感じてるの、にっ…!!)
グチュッ!ズプ!ズププッ!!
(……っく、ぅあうっ、…イ、キたいのに、出したいのに、どうして、イけなッ…っあぁ!あ!ンひっ!!……っっ!?)
身も心もグチャグチャにする桂。背に流す漆黒の長髪を振り乱して、卑猥な上下運動を続ける。
端整な顔立ちは恍惚に染まる反面苦痛に歪められ、だらしなく開いた唇の隙間からは常に忙しない息遣いと喘ぎが発せられる。
「んぅ、…う、んふぅ…、う、あぁ…銀時ぃ…っ…」
確かに待ち望んだ行為に没頭しているのに。
必死に腰を揺らめかして、熱い雄の肉に腹の底を削られる快楽を感じているのに。
一向に兆しが訪れない、解放の瞬間。
これならば男を欲する飢餓感に身体を疼かせていた方が数倍もマシだったと、混濁する意識の中、桂は思った。
溜まるだけ溜まって体内をグルグルと巡るだけの放出されない熱と欲望は、ただ悪戯に身を苛むだけの毒で、拷問だった。
「ぁあ、…あ、うぅ…御免っ…銀時っ…御免、なさいっ…っ」
荒い呼吸の合間、桂が向き合う相手へ必死な声で告げた。
眉1つ動かさず。口1つ、手1つ出さずの状態に終始徹して自分を抱く銀時に、……否。
いつまでも頑なに態度を冷やしたまま一向に動こうとしない、自分を抱いてくれない銀時に、御免、御免なさいと、謝罪の言葉を紡いだ。