【サンデー/若木民喜】神のみぞ知るセカイ FLAG181
> 2人のため、セカイのために鐘は鳴る…のか? FLAG187「ウエディング・ベル」
>
> 煌々と輝くあかね丸。
> ノーラの懸念どおり、上空を黒フードが漂う。さらに遠巻きに何者かが。
>
> ■いくつもの(他人(ヒト)とは違う)試練を超えた2人は…?
>
> 桂馬(歩美…頼む!!)(ついてきてくれ…!!)
> 歩美の一歩を、何者かが踏み出させた。背中を押され、桂馬に寄り添う。
> ??「もういいんじゃない?」
> 歩美はうしろを見るが、誰もいない。
> 歩美「……別にいいよ。」「結婚式……」「やってもいいよ。」
> そのままふてくされ気味に言う。
> 桂馬「違うだろ!!」「「別に」とはなんだ!!」「もっといいセリフないのか!?」「エンディングをなんと心得て…」
> 歩美「あ――うるさい!!」「やればいーんでしょ!!やれば!!」
> 歩美はヤケを起こしたのか、桂馬をぶん殴り、首根っこを引っつかんで船上へ引きずる。
> 桂馬「やだ!!やだやだ――」「こんなエンディングやだ――」「ボクは一番いいセリフ使ってるのに!!」「お前投げやりすぎるぞ!」
> 歩美「やかまし―――!!」
> 困ったような顔のちひろが残される。
>
> 飾り旗がたなびく下で、桂馬と歩美は、真剣な面持ちで見詰め合う。
>
> 歩美「少し笑えば?変態男!!」
> 桂馬「お前こそ笑え!!現実女!!」
> 二人とも気持ち悪いほどのつくり笑顔。
> 「さあ、舞島の海に向かって誓いを立てようじゃないか!!」
> 歩美「誓いなんていらない!!」「あんたの言葉なんて、」「信じられないからね!!」
> 桂馬「……ど、」「どこまで感じの悪い花嫁なんだ…」
> 歩美「でも!!」「桂木の気持ちなら……」「信じていいよ。」
> 「私…ここまで来てくれたら、」「何があっても桂木を信じるつもりだったんだ…」「桂木が本気だっていうのは……」「わかったから…」
> 桂馬「違うだろ。」「そんなのは攻略って言わない!!」「なんのためにボクが色々とフラグを考えてると思ってんだ!」「そもそも攻略とは…」
> 歩美「うるさいうるさーい!!」
> 桂馬「恋愛ってのはセカイより重いんだ!!ゲームでは!!」「別にいいとか、なんでもいいとか、」「そんな軽い気持ちで攻略に入られたら困る!!」
> 歩美「あんたは、」「私をなんだと思ってんの!?」「私だって、」「必死で考えてるんだよ!!」「私の気持ちは……」「私が決めるよ!!」
> 「自分で、」「自分で決めて……」「桂木が、」「好きなんだ!!」
> 歩美の近さと勢いに押される桂馬を見て。
> ちひろ(そうだよ、)(私も…)(自分で決めたんだ…!!)
> 歩美「それがわかったら……」「私と、」「結婚しなさい!!」
>
> 反撃の隙を与えず、歩美が桂馬の唇を奪う。高らかに鐘の音が鳴り響く。
>
> 桂馬から歩美が離れると。歩美だったはずのものは、いまだ眠ったままのメルクリウスに変化。
> そして周りを数体の黒フードに囲まれてしまう。二人に危機が迫る…
> ディアナ「桂木さん、ありがとうございます!!」
> 間一髪、翼を取り戻したディアナがメルを抱え飛んでいく。
> 「メル!!」「よく目覚めました!!」「早速ですが、やらねばならないことがあります!!」
> メル「寝起きではキツイなあ…」
> 黒フードどもが何か声をあげる。しかし。
> 灯「ヴィンテージの諸君!!」「そこまでじゃ!!」「ここからは…」「駆け魂隊が相手じゃ!!」
> 相手を上回る数の配下が、船を取り囲む。ノーラはリミュエルを知っているようだが…
> 「桂木、この度の骨折り…」「真(まこと)にご苦労だった。」「礼を言う。」「駆け魂隊にもヴィンテージにくみさない者がいる。」「今こそ誇りを見せる時じゃ。」
> 「さらわれた娘たちは必ず助ける。」「後は任せて欲しい!!」
> リミュエルは配下にディアナたちの援護を命じ、一本岩へと飛び去っていく。桂馬はなんで灯が現れたのかわかってないようだが。
>
> 桂馬にできることは、もうすべて終えた。
> ちひろ「歩美の中の何かは、どーなった?」
> 桂馬「なんか翼が生えて、」「飛んで行ったよ。」
> ちひろ「へぇ。」「私には、」「見えなかったよ。」「もう、」「家に帰るよ…」「私、」「ライブに行かなきゃ…」
>
> 長い夜が終わり、舞校祭最終日が始まる――――――