【サンデー/若木民喜】神のみぞ知るセカイ FLAG176

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ひさびさの巻頭カラーなので読者サーヴィ……そんなことより、歩美から女神(メルクリウス)を出さねばならぬ!!

高原母「歩美ー、お風呂先に入ってー。」
歩美(桂木の奴…何考えてんの…まさか…本当に来やしないよね…)

女神コンプリートorセカイ終了。エンディングは―――どっちだ? FLAG.179「ONE NIGHT GIGOLO」

そのまさかである。桂馬たちは高原家の門の前。
桂馬「ここが歩美の家か。」「地上から来たから時間かかったな。」
ハクア「でもヴィンテージには見つからなかったみたいね。」
ちひろ「ちょっと帰らせてよ――――!!」「なんで私が桂木と一緒にいないといけないのさ!!」
桂馬「文句はまとめて後で聞く。」「悪いが今はお前を1人にできない。」「危ない目に遭いたくなければ一緒にいろ…」
ちひろ「今、危ない目に遭っとるわ!!」
ちひろのパンチが炸裂する。

ノーラ「ハァイ遅かったわね。」「ヴィンテージはまだ来てないわよ。」「歩美はただ今お風呂中よ。」
桂馬「まあ想定内だな。」「それより、「ブツ」は手に入ったか?」
ノーラ「はいコレ。」「にしても、お前のやり方エグいわね、私好みよ。」
桂馬はノーラから受け取った袋の中を覗きこむ。
ちひろ(な……)(何してんのコイツら…?)

ハクア「桂木っ、」「歩美攻略のタイムリミットは今晩中よ。」「ヴィンテージの計画は、」「明日には発動するわ。」
    「今晩中に歩美を攻略できないと…」「間に合わないわよ!!」
桂馬「繰り返さなくてもわかってるよ。」「歩美は、」「もう攻略できてる。」
   「もう歩美の好感度は十分上がってる!!」「じゃなかったら、ちひろのバンド参加を迷ったりしない。」
   「あとは一つ、大きなイベントがあれば攻略できる!!」「歩美のまわりはノイズや障害だらけだが…」「キレイに片づける時間はない!!」
   「しかし、エンディングにさえ着ければいい…!」「結局最後は好感度勝負だ…」「使える引き出しは全部使うぞ!!」
言いながら、桂馬は袋の中身に手をかける。
ちひろ(歩美の……?)(こうりゃく!?)
    「ちょっと!!」「攻略って何よ!?」「桂木!!あんた何やってんのよ!!」
抗議の声をあげるちひろを、ハクアが止める。
ハクア「静かにしてあげて!!」「今、桂木は集中してるところよ。」
桂馬はなにやらブツブツつぶやきながらニヘラニヘラしている。キモい。

湯船でうとうとしていた歩美は、外からの物音にはっとする。怯えつつ母親を呼ぼうとするが、
桂馬「くそ、」「歩美の部屋はどこだ!?」
聞き覚えのある声。そーっと窓を開け、様子を伺う。桂馬が、近くの電柱をよじ登る音だった。
桂馬「わ、」「すべる!!」「ぐ…どの部屋かわからん…」「この家であってるのか?」
歩美「桂木!?」
不意に呼ばれてバランスを崩し、桂馬は窓の下まで転がり落ちる。歩美はすぐに窓を閉め、
   「な、」「何やってんのー!?」
桂馬「あ、歩美!?」「なんで風呂なんか入ってんだよ!!」「さっき電話で行くって言ったろ!!」
歩美「だって――」「本当に来るなんて思わなかったんだもん!!」
桂馬「早く上がれ!!」
明らかに桂馬の影が近づいている。歩美は悲鳴をあげながら窓の外にお湯をぶっかける。
歩美「な…何よエラソーに!!」「帰れ!!この変態のぞき男!!」
桂馬「か、」「帰らないぞ!!」「歩美に言いたいことがあるんだ!!」
歩美「だ…だから、言うって何を!?」「あんたのやってること訳わかんないよ!!」
桂馬「ボ、ボクだって訳わかんないよ…!!」「現実には関わらないはずだったのに…」
濡れた顔を拭く…ってそれ歩美のぱんつじゃないですか!!!!!
思わず歩美は窓を開け身を乗り出す。もちろん、歩美は一糸まとわぬ姿。あわてて胸を隠すが手遅れ。
桂馬に弁解の余地を与えずボッコボコに。湯桶が桂馬の顔面に突き刺さる。
歩美「死ね!!バカクズ犯罪者!!」「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね…」
何があったか?と気にかける父親に「なんでもない!!」と怒り止まないまま歩美は自室へ。

ハクア「桂木、大丈夫?」「なんか怒らせちゃってるけど…」
桂馬「大丈夫だ。」「今の好感度ならこれくらいは問題ない!!」「むしろ失敗イベントは相手のガードを下げる。」
   「スムーズに展開するより効果は高い…」「ひとさじの失敗イベントで本命イベントがプロの味に!!」「ラブコメの基本!!」
ハクア「マッチポンプね…」
591名無しさんの次レスにご期待下さい:2012/03/04(日) 00:19:37.59 ID:Eedtu5eX0

明りの点いた2階の窓に向かって。
桂馬「……歩美――」「そこにいるんだろ――?」
歩美はまだおかんむり。
   「さっきはごめん。」「怒らせるつもりじゃなかったんだよ。」
歩美「しつこいなあー、」「もう帰ってよ!!」
現れてさえくれれば、もうあとは桂馬のペース。
桂馬「最初からずっと…」「歩美を見てたよ!!」
   「ずっと…言えなくてゴメン…!!」「ボクに…勇気がなかったんだ。」「でも…変わってないよ・・・」「ボクの一番は…!!」
歩美の顔が赤くほてる。
ちひろ(な…)(なんじゃ、)(こりゃあ!?)
高原母「歩美――なによーさっきから!?」「誰か来てんのー?」
桂馬「歩美、この後…」「木梢川の亀石のとこに来てくれ!!」「来てくれるまで、」「いつまでも待ってるから!!」
   「来てくれないとパンツ返さないぞ!!」
歩美「バカバカ返せ――」

桂馬たちは木梢川に移動。亀をかたどった飛び石が、川を横切るように置いてある。
海ほどではないが、ここなら見通しもよくムードもある。歩美を落とすにもヴィンテージを警戒するにももってこいだ。
ちひろ「あんたら何やってんの!!」「いーかげん教えてよ!!」
ハクア「桂木の告白の手伝いよ。」
ちひろ「ウソ!!」「こんな雰囲気の悪い告白があるか!!」「歩美に変なことしたら許さん!!」「桂木は何してんのよアレは!!」
ハクア「桂木は……」「桂木は今闘ってる…」「みんなを守るために!!」
桂馬は歩美のぱんつを手につぶやいている、使うべきか、使わざるべきか。
かと思えば、手裏剣を投げるかのように、手首のスナップを聞かせシュパシュパとぱんつを振り回す。
ちひろ「……あれが?」
ハクア「そうよ。」

ゆうしゃは ぱんつを てにいれた! じごうにつづく!!