【久米田康治】さよなら絶望先生 170話【マガジン】
悪貨によって良貨は駆逐されるのではなく、より大事にされるのだとも言えます
たとえば、領主様が去年まで純度の高い金貨を発行していたのに、今年は領主様はより多くの金貨を造ろうと考え、
金の純度を落とした悪貨を発行したとしましょう
純度は低いのに、額面は同じ1ゼツボウ(別に単位は、ゴールドでもゼニーでも何でもいい)のままです
そして、その領主様が、あなたから1ゼツボウの税を取り立てようとしています
あなたの手元には、去年発行された良貨と、今年発行された悪貨があります
あなたは、どちらの貨幣で税を納めますか?
当然、今年の悪貨を納めて、質の高い去年の良貨は大事に、手元に残しておくはずです
なぜなら、純度の低い悪貨は価値が落ちてインフレとなり、実質的には1ゼツボウよりも低い価値しかなくなるのに
対し、純度の高い良貨には金としての価値があるからです
だから良貨は市場にはあまり流通しなくなり、良貨は駆逐されるとも言えますが、大事にため込まれるのです
悪貨のラノベやマンガが幅をきかせればきかせるほど、良貨の文学はその価値のわかる人には大事にされます