(物思うジンベエの腕に、突然噛み付くルフィ) ガブッ!!!
ジンベエ「いっ!!!」「…痛で…!!!」「ででで…でで!!!」
ジンベエ「痛いわァア!!!」 ガンッ!!! (ルフィをのど輪で岩に叩きつけるジンベエ)
ジンベエ「このガキャア!!!」
ルフィ「……!!!」 がっ!!
ルフィ「ウ…!!!」 ドス!! ドス!!(構わずジンベエを蹴りつけるルフィ)
ジンベエ「……!!」「もう何も見えんのかお前には!!!」
ルフィ「フー…フー…」
ジンベエ「どんな壁も越えられると思うておった"自信"!!」
ジンベエ「疑うこともなかった己の"強さ"!!!」
ルフィ「…!!!」 ギリギリ…(歯を食いしばるルフィ)
ジンベエ「それらを無情に打ち砕く手も足も出ぬ敵の数々…!!」
ジンベエ「この海での道標じゃった"兄"!! 無くした物は多かろう」
ジンベエ「世界という巨大な壁を前に次々と目の前を覆われておる!!!」
(必死に目をつむるルフィ)
ジンベエ「それでは一向に前は見えん!! 後悔と自責の闇に飲み込まれておる!!」
(積み重なる岩壁に頭を抱え込むルフィのイメージ)
ジンベエ「今は辛かろうがルフィ…!! それらを押し殺せ!!!」
ジンベエ「失ったものばかり数えるな!!!」
ルフィ「……!!!」
ジンベエ「無いものは無い!!!」
ジンベエ「確認せい!! お前にまだ残っておるものは何じゃ!!!」
ルフィ「!!?」
ジンベエ「…!! ハァ…ハァー…」(ジンベエが手を離し、地面にしゃがみ込むルフィ)
ルフィ「……」「ハァ…」「ハァ…」(じっと手を見つめ、指折り数えるルフィ)
ルフィ「……」じわ…(涙が、鼻水がこぼれ落ちる)ポロ…ポロ…
(ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ、チョッパー、ロビン、フランキー、ブルックが浮かぶ)
ルフィ「仲間がいる゛よ!!!!」
ジンベエ「……」「…そうか…」
ルフィ「ゾロォ!! ナミ!!! ウソップ!! サンジィ!! チョッパー!! ロビン!! フランキー!! ブルック!!!」
ルフィ「おれには…仲間がいる!!!」
ルフィ「…おれ達 集合場所があるんだよ」ぐす…(涙をふくルフィ)
ルフィ「…行かなきゃ…」
ジンベエ「…」
(回想:牢でジンベエに語りかけるエースの続き)
エース『おれがそこで見たのはよ… ジンベエ…』
(回想:在りし日に麦わら海賊団を前に語るエース)
エース(『できの悪い弟を持つと…兄貴は心配なんだ』)
エース(『おめェらもコイツにゃ手を焼くだろうが』)
エース(『よろしく頼むよ』)
(回想:牢でジンベエに語りかけるエースの続き)
エース『−もうおれの後ろをついて回るだけの昔のルフィじゃなかった…!!』
エース『あいつにはもう…頼もしい仲間がいた』
エース『何があっても大丈夫さ』『おれは安心したんだ』
ジンベエ「ふう…!!」(座り込むジンベエ)
ルフィ「…すぐ会いてェ」(叫ぶルフィ)
ルフィ「あいつらに゛会いてェよォオ!!!!」 (アオリ:見えた!!かけがえのないもの!!:以下次号)