むかしむかし、おじいさんとおばあさんが子供を拾って茨木童子と名づけました
床屋のおじいさんは、茨木に仕事を任せましたが、ある日客にケガをさせてしまいました
血のついた手を思わずなめてしまった茨木は、血の味を思い出しました
茨木は鬼≠セったのです
思い出した茨木は、客や父を殺して世に血を求めて彷徨いました
いつしか、茨木の名は天下に轟くようになり、そんなとき鬼の大将が声をかけました
大将は酒呑童子≠ニいい、京の鬼の大将でした
茨木は、初めて受け入れてくれる者に出会い、とても幸せでした
しかし、鵺≠ノよって酒呑童子は殺されてしまいました
鵺はあっさりと鬼どもの頭となりました
死んだ酒呑童子の傍で「おやじおやじ」とつぶやいている茨木に、鵺の母親がききました
「お前はどのような妖怪じゃ・・・?」
「オレは血を見るのが好きだ」
「奇遇じゃ私もじゃ」
「斬りきざむのが・・・好きだ・・・」
そういって酒呑童子の亡き骸を斬りきざみ、自分の左側のほほに静かにうめたといいます