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上級読者 ◆xQmVoY6/HA :
【タイトル】怪体真書0
【掲載号数】14号
【評価点】10点満点中3点
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カラーページが綺麗なので期待したのだが、柱の『次の目標は出来るだけ長く漫画を書き続けること』って挨拶文を読んで
あぁ……この漫画家は漫画というものがまだ見えてないのではないか、思い違いをしているのではないかと不安になり、作品を読み終えて、不安が的中したなと。
漫画家だけでなく担当にも責任があると思うが、この連載、多分、厳しいものとなるんじゃないかな。
自分がこれからどうなるかではなく、読者に何をどう伝えたいのかだけを真摯に考える心構えであったら、この作品の問題点である
● キャラ設定が凡庸で面白味がない
● ストーリーが稚拙で、展開モッサリ、ギコチナイ
● 演出が中途半端で読者を引き付けられてない
この三つをこの作者の技量なら簡単に修正出来ていただろうし、作品を及第点にまで持ってこれた筈で、ちょっと残念なのだ。
でも愚痴愚痴と批判してても仕方ない。具体的にその三つの問題点を解説しつつ、問題点を克服した今回の第一話の理想形といえる作品を考えてみることにする。
まず、主人公のキャラ設定だが何の捻りもない。カッコ良くもなく面白くもない。読者に何を感じさせたいのか分からない。
どうするか。例えば、カッコ良くするなら、腐女子向けにクールにしてみるかなと。でもキザなだけだと読者ウケが良くないから……取り敢えず女好きとするかなと。
これなら、CHのリョウやFSSのカイエンをパク……参考に出来るし、あとは剣を怖がるこの漫画独自設定をプラスすれば必要十分になるだろう。
ヒロインも個性がないので、例えば、顔は可愛いけど毒舌キャラにしてみるとかね。
キャラ設定なんてこの程度のベタな捻りでいいのだよ。
ベタだけど何等かの個性があると読者は感情移入し易くなり、訴求力となる。何の捻りもなければ掴み所のないキャラとなってしまう。
次に、今考えたキャラが立つストーリーを考えると、女好きなのだから、当然、娘を出すべき。読者の誰もが助けてやりたいと思える素直で優しい娘がベターだろう。
謎の魔物に夜な夜な襲われ廃村寸前の村の地主の娘。優しい一面を見せる為に、道に迷った主人公達を家に泊めてあげる為に親の反対を押し切る場面を入れたりね。
あと、剣が怖いってキャラの側面も立てる為に、剣を持ってるキャラ……浪人でも出すべきだな。
主人公と対比させる為、腕に自信があり、剣に生きるような奴にして、今回は地主から化け物退治で雇われたでいいだろう。
で、その浪人の剣を見た主人公が大袈裟に怖がり、ヘタレな姿を見せて、地主や浪人から馬鹿にされる展開にしておけば
後の主人公の見せ場で、読者にカタルシスを与えることが出来る筈。
と、まぁ、こんな感じに作品のテーマを表現するに必要なキャラを適当に配置した上で、ベタでも何でもストーリーを組まれればいいのだよ。
推理要素も入れたいなら、化け物が誰に取り付いているか、最後まで分からなくしても面白いかもだ。
本人すら気付いてないという設定なら尚の事よい。心神喪失状態なら化け物が何をしても取り憑かれた人に一切の道義的責任が発生しないので余分なシーンを省ける。
取り憑かれたのは娘の親の地主が後々の展開を考えて最も理想かな。他のキャラには他に役目があるからね。